「バリー・リンドン [DVD]」のカスタマーレビュー
もっと評価されてもいい、映像美が堪能できる映画。
当時、女性に大人気だったライアン・オニールの甘すぎる二枚目ぶりが災いか、幸いか、自ら道を切り開いていく強さのない主人公なので、彼が適役だったかもしれません。
目を引くのは、時代背景を考慮した自然光やロウソクの光を生かしたシーンなどです。撮影技術が素晴らしく、映像も衣装も美しいです。
また、リンドン夫人役の本物のヨーロッパの貴族の血を引く女優、マリサ・べレンソンの高貴な美しさは、さすがです。ヌードのシーンでも少しも品が崩れません。彼女は、「ベニスに死す」にも出演していました。
キューブリック作品でも異色の作品ですが、スパルタカス同様、ファンであれば一見の価値はあると思います。
一番過小評価されている作品だが、内面描写は最高だと思う
9人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
スタンリー・キューブリック作品の中では、最も過小評価されているうちの一つと思われる作品。
しかし、単に衣装や舞台だけではなく、キャラクターの内面描写に目を向ければ、
最も奥深くまで表現しきっている映画だと思う。
ライアン・オニールが抑制を効かせれば効かせるだけ、
周囲の言動は滑稽に映り、
時に哀れみさえ感じさせる。
最後の義理の息子との対決のシーンが顕著。
あの場面で嘔吐するシーンと、婦人の自殺未遂で取り乱す描写。
ともに対比させるようにライアン・オニールは無表情のまま。
第一部での成り上がりでも、スパイに実情を吐露するなど、
感情表現がもっとも物語と合致して、
なおかつ、この物語は一人称でありながら、
ナレーションは三人称を用いているので、滑稽さと荘厳さが同居する、素晴らしい作品に仕上がっていると思います。
撮影技術はもちろん最高。
まさに本当の「マジックアワー」を用いたシーンなど、鳥肌が立つほどの画面の美しさを何度味わったことか。
3時間という大作ですが、個人的には非常に好きな作品です。
ロマン主義映画のメルクマール的傑作
4人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
言わずと知れた、キューブリックに手になる、18世紀退廃的
貴族の命運を、完璧主義者の目で徹底的に時代考証にこだわった大作。
ひとつのテーマの、その時代の最高傑作を撮ると、
もう、飽きてしまって、同じテーマの作品は二度と(?)
作らない、キューブリックによる、18世紀貴族と、退廃した自堕落な
青年、バリーの数奇な人生を綴った傑作。
構図、音楽、撮影、衣裳、照明、演出、風景、どれをとっても、
絵画のような「絵柄」には、ため息が出る。
その後、絵画のような構図を狙った映画は、いくつか製作された
(たとえば、最近では「プライドと偏見」など)が、本作は、
その走りと言えます。
「情けない」顔をしたライアン・オニールを起用し、主人公バリー
の生き様そのままを体現した彼の演技でないような名演技に拍手。
キューブリックファンでなくても…
4人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
時期的にも時計仕掛け〜の後
シャイニングの前、と
一番ノってる頃の作品だと思う
現代の撮影技術ならロウソクの光だけで撮ることは容易だろう
しかしNASA用の特殊レンズを使ってまで自然光にこだわった理由は見れば分かります
18世紀中期〜後期の退廃的な美しさの表現は本当に動く絵画です
勿論キューブリックお約束のシンメトリーや徐々に引く映像も不断に使われてます
ストーリーは淡々としてますが結構それなりに楽しめます
ただ3時間以上の長い映画なので、途中のインターミッションで一服しましょう
ライアン・オニールはダイコンだけど
8人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
なんて美しい映画なのか。所々に暴力、賭博、嫉妬など、「いやらしさ」が散らばっているのに、こんなに美しいシャシンはそうはないだろう。
聞くところによると、本作を観た黒澤明はキューブリックに賞賛の手紙を送ったとか。それは黒澤が真にこのシャシンに敬意を払っているからであろう。時代劇にせよ現代劇にせよ、シャシンに面白さ、美しさを持ち込む映画監督なら、黒澤に限らず誰だって本作をリスペクトするだろう。
ストーリーだが、これは他愛のない話だ。一人の田舎者(ライアン・オニール)が成り上がり、破滅してゆく様をただ描いただけ・・・といってしまえばそれまで。だが、先ほども書いたが、このシャシンには美しさがびっしりと詰まっている。退屈に感じられるかもしれないストーリーを補完できているほど美しい。
欲を言えば、オニールにはもっとオーヴァーなアクションをして欲しかった。レドモンド・バリーの役目だが、失礼なことを言えばオニールじゃなくてもいいのだ。まあ、キューブリックのこの次のシャシン「シャイニング」のジャック・ニコルソンがすげえ怪演をしていたから、そう感じるだけかもしれないが。
まあ、それを余りあって描写が豪華でなお細かい。3時間の大作だが、3時間以上あったとしても、この映画だからいい。もっとも、この映画だったら、5時間作品だとしても観ていられただろうが。