「大いなる陰謀 (特別編)」のカスタマーレビュー
正義と行動力を問いかける近年まれにみるテーマの作品。邦題にだまされるな。
3人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
この作品は上映以前に予告編で流される期間が非常に長く、どんな大作なのだろうかと思っていたが、実際見てみると、いわゆる昨今のハリウッド大作とは全く異なるタイプの作品で、良い意味で期待を裏切られた。
邦題の「大いなる陰謀」というのは、はなはだ疑問のあるタイトルで、まるでこの作品をアメリカ政府のたくらむ国家的犯罪とそれをあばく主人公達といった内容に勘違いさせるものだが、本当の内容とは全く異なる。原題の「LIONS FOR LAMBS」が本作品のコアとなるメッセージなのだが、集客力を考えてあえて違った邦題にしたとしか思えない。
まさしくライオン達の墓標がドミノのように立ち並ぶワシントンDCのアーリントン墓地を横切る車のなかで、涙をながすメリル・ストリープが印象的だ。
何が問題かを知るために
3人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
"Lions for Lambs"の原題がまさにこの映画を最もよく表しています。邦題の「大いなる陰謀」はちょっとニュアンスが違うので、陰謀に満ちたサスペンスを想定して観てしまうと、物足りなさは否めないでしょう。
ただ、ニュートラルな視点からみると、9.11のテロから現在に至るアメリカの軍事活動、マスコミの動向を振り返る上で意義のある作品であると思います。
ほとんど戦争未経験で、ホワイトハウス進出しか頭にない政治家が快適なオフィスで考え出す軍事作戦。それを国を憂う若者が命がけで遂行しているという事実。正論と多数派意見を都合よく織り交ぜながら、視聴率最優先で報道するマスコミの問題。そして、そのような複雑で難しい情勢に直面して、行動をやめてしまう学生。これらの「正解のない難問」を映画という手法でうまく表現していると思います。
また、教え子を戦争に送ってしまい、若者にどう助言すべきか戸惑う大学教授。マスコミの変貌とジャーナリズムの使命に苦悩するテレビ記者。優秀だが、目先の成功の為に安易な決断を下してしまう上院議員をそれぞれロバート・レッドフォード、 メリル・ストリープ、 トム・クルーズが見事に演じています。
正義ってなんだ?
3人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
辛口ですが、邦題の仰々しさに比べ、ストーリーは大変陳腐に感じました。
やたらと言葉数の多い取材と会話シーンが続き、
全然頭に入らないうえに退屈とさえ感じてしまいました。
あとやたらと場面切り替えがあり鬱陶しい。
各々のキャストも彼らである必然性が全くないように思えました。(特にトムクルーズ)
この映画のコンセプトというかメッセージがいまいち伝わってこない。
マスメディアの在り方、責任に関しては考えさせられるものがありました。
この映画を本国民はどのように受け止めたのだろうか?
広大な墓地公園の映像には、なんだかやるせない気持ちになりました。
楽しむ映画ではないが、間違いなく見るべき映画。
1人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
映画を娯楽として考える方には、向かない映画。なんとなく、問題がいつの間にかスーパーヒーローによって解決されるようなアクションものとは程遠い。この映画自体、進むことも後退することも出来ない灰色の現状をそれぞれの立場から捉えた非常にいい映画です。あえて文句を言うならば、中身の重さに引き替え邦題タイトルのなんと安直なこと。まだ直訳の方が良かったかも。
映画的には退屈だが、"リベラリズム"の限界を乗り越えようとの"思い"は伝わる。
13人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
オバマ、クリントンの壮絶なデッドヒートにようやく決着がつき、いよいよ大統領選が近づいてきた。ハリウッドは元来リベラル勢力が幅を利かせており、この時期になると政治的メッセージ色が強い映画が増えるが、これは極め付けの反ブッシュ、反共和党キャンペーン映画だ。
対テロ強硬派で自信家の共和党上院議員と、リベラルな女性ジャーナリストのやり取りは、いかにも手だれた善悪二元論の物差しで語られ、さして目新しいものではない。ただ、T・クルーズ扮する議員の覇権主義、アメリカ絶対主義的な言動をファッショと決めつけるのは容易いが、9.11時の報道、言論を始めとする、マス・メディアの風見鶏的対応を冷笑し、所詮はリベラルと我々は表裏一体と言い放つその頑強な鉄面皮ぶりに比べ、M・ストリープ演じるジャーナリストの何と脆弱な事か。まるで、心優しき“リベラル”の限界を、ロバート・レッドフォードは感じているようだ。
むしろ、観ていて、なるほどそう来たかと感じたのは、後にアフガンに軍人として志願する大学生たちが、研究発表の席で、全米の総ての高校生を1年休学させて軍隊組織に入れる事の義務付けを提唱する件で、一見危険な発想とも思うが、M・ムーアの「華氏911」や堤未果の「貧困大国アメリカ」(岩波新書)でも喝破されていた様に、戦争の先兵として戦地に赴くのは、黒人、ヒスパニック系マイノリティーにプア・ホワイトと言う不平等な現実こそアメリカの根源的問題と捉え、富裕層も例外なく兵役させる事で社会や痛みを知る、ある意味これは真っ当で過激なリベラリズムではないか。
現状への閉塞感と正義感を以って、軍に志願する事でアメリカを変えようと考えた若者も、奇しくもアフガンで、つい先日痛ましくも命を落とした日本のNGOの若者も、どんなに青くても、甘くても、仮にそれが若さゆえ見誤った事だとしても、何かをしなければと行動する勇気とこだわりを持つ若い世代に光明を見る。
それにしても、劇中語られるアメリカが世界から嫌われた5つの出来事って、ベトナム、グレナダ、チリ、パナマ、イラク、ヒロシマナガサキ、、、とても5つじゃ済まないと思うけど。