「ダークナイト 特別版 [DVD]」のカスタマーレビュー
ヒース・レージャー
この映画は、バットマンシリーズの第6作目、第5作目からスタートした新生バットマンシリーズとしては『バットマン・ビギンズ』に続いて第2作目に当たる作品である。初めてバットマンという言葉がタイトルから削られたことからも分かるように、いわゆる勧善懲悪のアクション映画とは一線を画している。悪の本質について深く考えさせられる作品となっている。
本作で史上最凶のジョーカーを怪演し、アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した故ヒース・レージャー。ハリウッド・スターでありながらも知名度がさほど高くないのは、メディアに対してセレブとして注目されることを拒み、自分は役者なんだという主張を通したためであろう。親しい友人らによると、彼はスター気取りのない、シャイで非常に繊細な性格だったと言う。映画『ブロークバック・マウンテン』では細やかな演技で感情を巧みに表現し、その知的なアプローチは評論家に高く評価されている。その賞賛に対して、「人として成長すると同時に、役者として成長するんだ。その両面で進化し続けたい」と語っている。役者という職業に真摯な姿勢を持ち、独創性を追求する真のアーティストだった。そして、本作で運命の役ジョーカーに出会う。俳優としてシリアスな彼は、常に演技に対するプレッシャーを感じていたと言う。また16時間連続で撮影が行われるという不規則な撮影スケジュールで、心身ともに過酷な状況だったらしい。ついに睡眠薬が効かないほどの不眠症に罹り、薬物過剰摂取で夭折する。享年28歳。
映画『バットマン』のジョーカー役ジャック・ニコルソンが「彼に警告したのに…」とコメントをしている。ジョーカーを演じることは、非常に精神的な負担を伴う危険な挑戦だったのだ。本作の中でジョーカーが“I believewhatever doesn’t kill you simply makes you stranger.”(俺の信念はな、死ぬほどひどい目に遭っていると、人はどんどんおかしくなっちゃうってことさ)と語る場面があるが、ヒース自身と不気味に重なり背筋が寒くなる。限界状態であらん限りの意識を集中したからこそ、グロテスクなほどリアリティーに満ちた悪役が誕生したのだ。
因みに、ファースト・ネームのヒースは、エミリー・ブロンテの名作『嵐が丘』の主人公ヒースクリフから名づけられたと言う。復讐を続ける中で狂気の世界に堕ちていく主人公の生き様は、又もヒース自身と重々しくシンクロする。彼は人間の闇に潜む暴力的なもの、残忍なもの、冷酷なもの、卑劣なものを研ぎ澄まされた目で見つめたであろう。それは別の視点から見れば、私たちが窺い知ることのできない、深遠で豊かな一生だったのかもしれない。
久しぶりに圧倒的な演技力の役者を見た衝撃
2人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
冒頭から、ヒース・レジャーの圧倒的な存在感と演技力に衝撃を受けました。この役者が「チョコレート」に出てた子役だったとは・・。
私は充分おばさん世代ですが、これだけの衝撃を受けた映画にしばらく出会っていなかったかも?
クリスチャン・ベールも、昔好きでハマった映画「ベルベット・ゴールドマイン」のあのオタクっぽい青年だったと知り、こんなに素敵な紳士に変貌していて、びっくりしましたね。
脇役も豪華ですね。
ヒースは、ジョーカー役としては、ジャック・ニコルソン(キッチュでポップなイメージのジョーカー、監督の演出の結果ですが)を全く別の次元で超えましたね。
あまり、暴力のシーンのある映画は好きではなかったのですが、この作品は別格です。
重厚だし、エンディングに深みがあり、娯楽映画の分野から一歩も二歩も抜き出てました。正直言って、見るまでは、大したことないんじゃないのと、たかをくくっていました。
完璧!!
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細かいのは、皆様のレビューで(笑)
アメコミの実写化で最高傑作ではないでしょうか?
ここ数年では一番多く観てますね!
ヒースは本当に残念です。
あとの俳優達もスゴいキャスト&演技力。あと役に完全にハマってましたね。
あそこまで深い作品の設定は感動しました。
本当に正義、悪とはとか、メチャクチャ考えさせられた作品。
ホントに深い。アメコミ?ヒューマンドラマ。
ちょっと主人公だけではなく悲しい感じが、ダークヒューマン好きな人にはズッポリな作品ですね。
大袈裟じゃなく全ての役に感情移入できます。
一番心配なのが次回作のバットマン。
改めてファンに
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ヒース・レジャーのファンとして購入した作品。
作品としてもアメコミの中ではこのバットマンシリーズが大好き。
主人公を演じる俳優がこれだけ変わっても、どこかベースに流れる雰囲気は変わらず、
ある一定の魅力を保っているのはすごい。
それにしても宣伝時この作品を見たときには、
よくもまあヒース・レジャーをこれだけこわしてくれた!と思いましたが
作品を見るとよくもまあ、これだけ自分を壊したものだ!と思い直しました。
悪の限りを尽くすJokerを見事に演じ切り、なりきっています。
見ているうちにもうこれがヒース・レジャーということを忘れる、
今度は別の意味で、俳優ヒース・レジャーが演じていることに感激。
もっとたくさんの作品に出てもらいたかったなぁ…
このJokerだって続きはぜひカレに演じてもらいたかった。
残念で残念で仕方がない。
テロに揺れる21世紀アメリカを象徴
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ノーラン版「バットマン」第2作。ダークな世界観はより深化。
ジョーカーを無秩序型の異常犯罪者、いわゆる「快楽殺人者」として怪演したヒース・レジャーが見物。二枚目俳優の面影を全く感じさせない不気味さは出色の出来である。ヒースの凄味のあるジョーカーがもう見られないのは残念。
ジョーカーの特徴である顔に口元から耳まで裂けている傷跡に関する設定も巧妙で、その由来についてジョーカー自身は「酔っ払って暴れた父親に切り裂かれた」「身も心もズタズタになった妻を笑わせるために自ら切り裂いた」など、その時々によって言っていることがまるでバラバラで、実際の理由は不明なままになっている。ジョーカーのサイコパスぶりを強調すると共に、安易にジョーカー誕生の原因を明かさないことで、ジョーカーの純粋な狂気を演出している。
エキセントリックな役柄が多いゲイリー・オールドマンの渋めの演技も良かった。正義を遂行しているはずなのに人々から嫌われてしまう(まさに現代のアメリカそのものを象徴している)バットマンの苦悩を演じたクリスチャン・ベールも秀逸。