「ブロークバック」を観てからこの作品を観ました。「ブローク」が予想に反して20年にも渡る話だったので、
こちらはどうかと思ったら、やはり家族のあり方、その土地での生き方をテーマにしています。
ウェイトンは台湾で勝ち組両親を持ち、今はアメリカで働く不動産屋。
彼には米国でサイモンという同性愛者でベスト・パートナーがいます。
同性愛に対し表面上理解のある土地で幸せに暮すウェイトンに、母国台湾から縁談の話が持ち上がります。
「身長175cm以上、オペラに興味がある女性」などと理想の難題を押し付けても、両親はそれにかなう女性を送りこんできます。
両親のガンとした息子の結婚願望をかなえるには、とりあえず別の女性との偽装結婚しかないと
ウェイトンとサイモン、そしてグリーンカードの欲しいウェイウェイは来米した両親の前でごく簡単な結婚式をあげます。
「さあ、結婚したから満足だろう、帰国してくれ」と暗に促す若者達に対し、そんなもんじゃないと納得しない中国の両親。
結婚とは、個人の意思が結びつくものだという米国側の青年達の考えに対し、
中国側の両親は結婚は家と家とが結びつくものであり、いずれ子供(子孫)が産まれるものであると考えています。
同性愛への差別うんぬんではなく、子供ができようのない関係はパートナーに成り得ないと、特に
女性であり、出産の経験のある母親は思っているようです。
「ベスト・パートナーを見つけるのは難しいんだ」
異国に中国人として渡り、同性愛という差別下にもあるウェイトンの台詞。
画家として成功したいウェイウェイが、グリーンカードをめぐって思う気持ち。
子供を持つことを知る中国の母親の気持ち。
サイモンが女性の母性的な優しい面をもっている男性なので救いがある映画です。

アン・リー監督はストーリー・テラーです