骨太な映画でした。
朝鮮半島出身であるが故に(?)受ける差別、それを逆手にとった若き日の狡猾さ、
力道山を単なるヒーローとしてではなく、弱さや多面性を持った複雑な人間として描いています。
68年生まれにして、2004年の本作のため30キロもの増量に成功したソル・ギョング氏に素直に頭が下がります。
怪しげな日本語を喋る日本人が登場する韓国映画は多数存在しますが、
本作のギョング氏は、ネイティブにはほど遠いものの
例えば「ロスト・メモリーズ」の張東健氏などとは比較にならないほど流暢です。
それが不快な気分にさせない大きな一因だったと思います。
レスリングの場面には多くの現役レスラーが登場します。
彼らと遜色ないとは到底言えないまでも、
興醒めしてしまうほど貧弱な、「只のデブ」ではありません。
如何にギョング氏が心血を注いだのか、本国での興業不振を嘆いたかが伝わるようです。
藤竜也さんは小柄ながら力道山を圧倒する、古い時代の侠客の迫力をみせてくれました。
中谷美紀さんはとても美しく、儚げでこれも好演でした。
レスラー達の演技も悪くありません。
総じて、出演者の技量を堪能する映画だといえます。
最後に、昔の力士はとても強かったことを書いておきます。
力道山が渡米する前、高砂(元横綱前田山)、大ノ海(のち花籠。初代若乃花、輪島の師匠)らがアメリカ本土で興業を行い、
タイツを履き現地のチャンピオン達とプロレス形式の試合をして全員に勝っています。
ハワイ出身の巨漢の元横綱の存在は嘆かわしい限りです。

骨太な映画