ベルリン・天使の詩 デジタルニューマスター版 [DVD]

東北新社
(2006-04-21)
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「ベルリン・天使の詩 デジタルニューマスター版 [DVD]」のカスタマーレビュー

ベルリン その風景
1人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
大学生の時にはまった映画です。今見ても、懐かしさと暖かさが同居する、不思議な映画です。
天使と共にモノクロで描かれ、少し寒さを感じるベルリンの風景。戦争の記憶....冷戦に引き裂かれた街。

ポツダム広場で手回しのオルゴールを回す老人。彼は何時になれば平和を謡うホメロスを見出せるのでしょうか。
そして、愛ゆえに人間になる事を選ぶ天使ダニエル。

ピーターフォークの渋い演技も光ってます。秋から冬の、ちょっと人恋しくなる切ない時期にオススメです。
家にあると安心
2人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
80年代の終わりにベルリンを旅した。そのときは、壁はまだあちこちに残っていた。
この作品を見ると、あのころのベルリンを思い出す。

色調を抑えたPVのような映像。
弦楽中心の音楽も心地よい。

近所迷惑にならないかぎり、できるだけ大画面で、音も大きくして見ると、より感覚的に満足できる。

ヴェンダースの、ベルリンに対する思いと、ドイツの抱えた歴史の重さが垣間見える作品。

借りてもいいけど、こういう心に深くしみこんでいくような作品は、家にあるほうがいいと思う。
当時のベルリンを知らないけれど
5人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
白黒映像。人々の心の呟き。閉塞した社会。

初めて見たときから心に焼きついて離れない作品です。
この映画に出てくる名もない人々が呟くのはまるで私の独り言のよう。
彼らの言葉を通して私は私の心を聞いた気がした。

映画を見るとはこういうものなのだと教えられた作品でした。

散文詩のように見る人それぞれが好きなように味わえる自由な映画。
ベルリン東西の壁
14人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ベルリンの壁の前で、今日の出来事を話し合う天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)とカシエル(オットー・ザンダー)。天使たちの目に映るモノクロの世界は、虚無に支配されている人々の心の声が散文詩のように響きわたり、静謐でかつ美しい。

俳優として映画に登場するピーター・フォーク本人(元天使)から「こっちの世界はいいぞ。君もこっちへこないか」と誘われるダミエル。空中ブランコ乗りのマリオンに恋をしていたダミエルは、永遠の命を捨てて人間に生まれ変わる。

人間になったダミエルは、気がつくとベルリンの壁の西側に横たわっている。東西に分裂するドイツを悲観したヴェンダースが、まるで旧東側の人々に「こっちへこないか」と呼びかけているかのような演出だ。

しかし、ヤル気まんまんのダミエルが観る旧西側の世界は、<虚無の上に築かれたハリボテ>のような印象を受ける。西側とくにアメリカ文化に対して好意的な目を持つヴェンダースは、ウォールアートやショーウィンドー、ロックコンサートをカラーで映し出してみせるが、監督の意図とは裏腹に自分には<虚偽>にしか見えなかった。

ベルリンの壁崩壊後本作品の続編が撮影されたが、詩人ホメロスが壁の西側で失われた物語を探し出せたのかは語られていない。
20年近い歳月を経てやっと分かった価値 ヴェンダースのハリウッド映画への決別であり、心優しき人間達への慈しみの一作
26人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 初めて見たのは大学1年。当時は大反響が巻き起こっていて、特に私の周囲にいた女性達には「好きな人のために天使から地上に降りるなんて素敵よねえ」とすこぶる好評。でも率直な私の感想は「きれいな映画だけどそんなに各方面で絶賛される程の傑作だろうか」「ストーリーもバカバカしいし、J.ジャームッシュの方がずっと凄い映画を撮っている」と疑問符だらけ。天使の永遠の生命よりも混沌と焦燥に満ちた人間の中で生きる方が色彩豊かに生きることが出来る、というのはハイデッガー哲学の援用だな、なんて何か反感を持って斜に構えた評価をしていました。
 そういう訳で私にとって学生時代からの宿題となった映画なのですが、つい先ほどNHK-BSで放映したので20年ぶり位に再視聴しました。何と分かりやすい作品だったのでしょう。この映画は映画監督として俯瞰で居丈高に芸術作品を撮るよりも、寂れたベルリンの街で妻の悩み・愚痴を聞きながらともに一介の人間として暮らすことの方が良い、というヴェンダース自身の極めて私的な心境を描いたものだったのです。だからカラーシーンでは地上から見上げる構図になり、その魅力も十二分に描いています。そしてこのローアングルの視線を最も美しく映像化した小津安二郎への賛辞が終幕で示される訳です。
 P.フォークが登場するのはそれまでの監督作品でN.レイやD.ホッパーを起用したのと同じく、彼が敬愛する映画人の登板という事でしょうし直接的には当時亡くなったばかりのJ.カサベテスへのオマージュでしょう。色々映画の知識を積んだ今でこそ分かる魅力というものがありました。そして曇りない今の眼差しでこの映画を見れば、ミニシアター系の佳作として実に良品であるという印象を受けます。メッセージも肩肘張らず明確で実に良心的です。「大人の寓話」としてなかなかの作品でした。ですから是非とも私と同世代の人達に、今だからこそ見て欲しい1品です。

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