「ウェールズの山 [DVD]」のカスタマーレビュー
笑えて、美しくて、感動する映画です。
面白い映画です。
クスッと笑えるところが随所にあります。
自分たちの誇りに思ってる山が、高さがわずかに足りずに「丘」だと言われたのが悔しくて、土を盛って山にしちゃえ!というあらすじからしてバカバカしいわけですが、測量士たちを姑息な手段で足止めしようとする村人たちの行動がまたいい味出してて、そのほのぼのした笑いには、センスのよさをすごく感じます。
ただ、それだけではなくて、この映画には、心を震わすものがあります。
何故村人たちがこの山を誇りに思っているか、何故今、山を高くするのにこんなにも一生懸命に一致団結してがんばるのか、その理由が、さりげなく真面目にさしはさまれるのですが、そこに、決して強くはない人たちが、時代の荒波に揉まれながら守ってきた誇りが、にじみ出るように描かれています。
そして、それに対する視点が、暖かく、尊敬に満ちているのです。
そういう静かな誇りを、大事に思う心が、映画の中に、決して大仰ではなく、染み渡っているように思えます。
その象徴ともいえるのが、なんとも個性的な村の教会の老神父なのですが、その神父が声を震わせて村人に語りかける様は、大した名ゼリフを言っているわけではないんですけども、胸に迫るものがあります。
映像は美しく、音楽も素晴らしい。
登場人物も個性的でいかしたキャラクターばかりです。
名作といってよいと思います。
そぼくな村人の人間喜劇
8人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ウェールズの小さい村の小さい山にまつわるお話だそうだ。生活はかならずしも豊かではないけれど、それなりに幸せに生きているひとたちの姿を、肩の力を抜きつつ共感をもって人間喜劇に仕立てた。
そぼくな村人を揶揄したり、誇張がすぎたりすることもない。イングランド人に対するウェールズの人々の屈折した気持ちも興味ぶかかった。それと、好色モーガンのパブのビール、こんな田舎でも、うまそうな生ビールが飲めるなんてうらやましい。
牧歌的な調べ、ゆったりとしたテンポが心地よいハートフル・コメディ
14人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
おらが村の誇りである山を丘になんぞするもんけぇと一致団結、村さ総出で丘に土を運ぶ村人の心意気に、思いがけずも胸がほかほかした一本。これはもう英国映画ならではの味だよなあと、話ののんびりとしたテンポと、ケルティック調の牧歌的な音楽にもほのぼのとさせられましたねぇ。いや、これはナイス・テイストなハートフル・コメディ映画。あちこちでくすりとしながら、ゆったりのんびり、楽しませてもらいました。
俳優陣ではやはりこの人、イングランド人の測量士のひとりを演じたヒュー・グラントが格別。この人らしいとぼけた持ち味、ユーモラスな表情や仕草が魅力的でしたね。もうひとり、好き者モーガンを演じたコーム・ミーニーに一票。「お調子もんだけんどな。やるときゃあやる男よ。なんたってよ。ウェールズだましい、持っとるもんな」っていう役柄にぴったりの好演技で、魅せてくれました。
上でちょこっと言いましたが、音楽がまたいいんだ。ケルトの民族舞踏曲てな感じのひなびた調べが、映画のテンポと雰囲気に大きな効果を上げているんですね。話の舞台となるサウス・ウェールズの風景もよかったけれど、ケルト調の音楽はさらに素敵だったなあ。いいですよ、この音楽♪
心暖まる一品です
12人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
第一次世界大戦で荒廃していた時代、ウェールズの小さな村に2人のイングランド人がやって来るところから物語が始まります。
2人の仕事は村の山、「フュノン・ガルウ」という山?を測量する事です。
測量の結果は、なんと村唯一の山が地図に記載されるには僅か6メートル足りないことに。
第一次世界大戦中だというのに、村人達関心は山が地図に載るか否かに。
そんな村人達と測量に来たヒュー・グラント達との心温まる描写が見どころです。
決して派手な映画ではありませんが、全編に流れるハートフルな模写に
見ている我々は釘付けになります。
小さな映画の壮大な感情
8人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
こんな綺麗で楽しい映画が1500円は安いですね。
ヒュー・グラントが売りのコメディ。しかし主役はむしろウェールズの空と雲と山、そして脇役たちでしょう。脇キャラが全員素晴らしい。音楽も綺麗です。
インテリは「相対」と「比較」で事物を計ります。「丘」と計量された土の塊はあくまで「丘」である。
この映画に登場するインテリは三人。外部からやって来た二人の測量技師(主人公とその上司)、そして村の教師。この教師はド田舎の進歩的文化人といいますか。
彼らが対峙するのは「絶対価値」の中に生きるウェールズの村人。我らが「山」と崇めるのだから、それは「山」なのだと。
そして「絶対」の中に生きる彼らの胸には神が住んでいる。
「丘に土を盛り、山と変え、それを神と戦場から還らぬ者たちに奉げよう」
これほど壮大な感情にインテリ集団の「理性」はとても太刀打ち出来ない、という話でもあります。
かくして村人たちは、丘を登り、土を運ぶ。丘を山に変える為に。
丘を登る、という行為があたかも神聖な祝祭と化すクライマックスが本当に美しい。
この祝祭に参加した者たちは癒されます。戦場でPTSDを負った青年二人、主人公と脇キャラのジョニー、彼らは丘を山に変えることによって癒される。
ちなみに、この映画の中でインテリたちがそれぞれどのように振舞うか。
主人公は主人公らしく、祝祭に参加し、この地に土着します。
上司は始終飲んだくれて祝祭の進行にさえ気付きません。
教師はただ一人のけ者になります。
自分ならどのポジションになるだろうか、と妄想してみるのも興味深いコトです。「丘は丘だ」と言うか、それとも、「丘を山に変える」と土を運ぶか。私は土を運ぶにやぶさかではありませんが、土着だけはごめんだなと(苦笑)。
以上、楽しいだけではなく、意外にも結構深い映画でした。