「モーフ・ザ・キャット」のカスタマーレビュー
DVD+BOSE5.1chで聴く2『H Gang』は絶品!
5人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
2006年3月リリース。ニューヨークのアバター・スタジオほか、多数のスタジオを駆使してレコーディングしている。『ナイトフライ』(1982)、『KAMAKIRIAD』(1993)に続く、24年ごし、前作から13年ぶりの3部作とのこと。
スティーリー・ダンのDVD、『Aja』や『シークレット・ライブ・イン・NY』をご覧の方は納得されると思うがドナルド・フェイゲンは(ウォルター・ベッカーもだが・・・)音づくりに対するこだわりが常人離れしている。ワン・トラック、ワン・フレーズ、ワン・コーラスを詳細に分析してトラックを加算・削除していく。そこに生き甲斐を見いだしているとしか思えないミュージシャンである。こいつのここのリフがいいとか、こいつのこのスネアはいただけないので全部消去、とかが果てしなく続く。だから13年もかかるのは当然なのだろう。
今回のこだわりはおそらく一番だろう。僕の手に入れたアルバムは何とCDとDVDの2枚組だがDVDの方は5.1chサラウンドで録音している。もうCDの音質に我慢ならんと言う意思表示に他ならない。DVD+BOSE5.1chで聴く2『H Gang』は絶品である。是非ともファンは2枚組を手にとって欲しい。
三部作完結
6人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
82年の「ナイトフライ」93年に「KAMAKIRIAD」そしてこの2006年作「モーフ・ザ・キャット」とものすごいスローペースなソロ活動です。「ナイトフライ」は文句なくAORの名作と呼べる作品でしたが、「KAMAKIRIAD」は今ひとつで、中古屋界隈でも安値でよく見かけます。そしてドナルド・フェイゲンが三部作と呼んでいる最後の作品がこれですが、やはり前作がパッとしなかったので不安はありました。時も経ちましたし。しかし、それは杞憂に終わりました。音の厚さがいきなり耳を突くM1からして、まさにドナルド・フェイゲン節全開です。ボーカルも年齢を感じさせない張りのある声で、その中に大人の渋さもしっかり出ているところが色っぽいです。前作の煮え切らない感じは、完全に払拭しています。まとまりとボリュームでいうと、本作が最高なのではないでしょうか。ただ「ナイトフライ」のあのなんとも言えない神懸かった美しさまでは、あと一歩というところかなと思います。とはいえ充分名作だと思います。
最高傑作かなと
4人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
過去のソロ作と同じく、ひとつのテーマの下に創られた作品のようです。
二作目に関してはテーマ倒れしてしまったような感もありましたが、
本作品においてはそのような事も無く、
(と言うより、もはやテーマも不要な気がしないでもないのですが)
アルバム全体が見事な色調に纏め上げられていると思います。
いつも話題になる音の面では、ドラムスが軽い印象を受ける部分も
あるかと思うのですが、かつてのAja、ガウチョにおけるドラムス
のほうが音質的には不自然な感じ(いまで言うサンプリング?)が
する部分があり、今回の音は個人的には良い音と思います。
ツアーでは女性の三声コーラスのようですが、本作品ではフェイゲン自身と
男声コーラスによるハーモニーと3本のギターが特に素晴らしいと思います。
いままで一番、ブルース、ファンク、ジャズ、ロックが自然に溶け合っている
作品だと感じます。
ナイトフライに漂っていた、“あの”雰囲気が好きな方はきっと、
気に入るのではないでしょうか?
モルヒネ中毒の猫
36人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
かなりアップ・トゥ・デイトなサウンドでありながら、彼の音楽に50年代のモノクロ映画の匂いを感じてしまうのは私だけであろうか?
個人的には、アルバム“Aja”に収められている“Black Cow”や“Deacon Blues”のようにハードボイルドな物語性を持った曲が好きだ。シンプルでタイトな横ノリのリズムにLarry Carlton等のギターが彩りを加え、徐々にホーンセクションが熱を帯びて絡んでくる。
実にソロとしては24年ぶりになるアルバム「Morph The Cat」のリリースを私は知らなかった。それを知り、同時にその中のヒットチューンを聴いたのは愛車の中だった。環状8号線を走っていたとき、ラジオから流れる癖のある唄声が私の耳を捉えた。“H Gang、Donald Fagen”とDJは紹介した。
Morpf とはモルヒネ:morphineから取っているのだろう。
モルヒネ中毒の猫=女?。なかなかブラックでシニカルなタイトルだ。
久しぶりに私好みのDonaldが帰ってきた。
是非ともウィスキーを片手に聴いて頂きたい。
それもスコッチのシングルモルトなど気取った酒ではなく、ジムビーム、それもライベースあたりがいい。酔いが全身に回り始める頃になると、曲中に登場する中年男の心象風景がなんとなく見えたような気持ちになる。
若者よ、大志はあるか?
かつては私にもあった。志の多くは実ることなく終わるが、男はそれが叶わぬ夢だと知ったときに値打ちが決まるのだ。たとえ負けても立ち上がって次なる夢に向かって歩き出そう、人生とはそういうものだ。
スウェーデンの劇作家、かのストリンドベリも言っている、
「苦しみつつ、なお働け、安住を求めるな、この世は巡礼である」
そんな戯言を誰に、という訳でもなく、呟きたくなる夜がある。
私がDonald Fagenを聴きたくなるのは、そんな夜であることが多いように思う。
Welcome to Steely Fagen's Perfect World.
3人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
これは Steely Dan フリークである Donald Fagen 氏によるソロアルバムである?
別に皮肉ではなく、SDマニアなら思わずニヤリとするような仕掛けが至る所に仕組まれており、一粒で何度もおいしいです。SDの「エブリシング・マスト・ゴー」よりもSDっぽいかも。
ちなみに、ナイトフライは奇跡的な作品で星7つです。カマキリアドはコンセプト生煮えな感じで、星3つ。それに対して、モーフ・ザ・キャットは、うーん、こくまろな感じでいい味出してるなぁ。星4.5個です。