やさしくキスをして [DVD]

ポール・ラヴァティ
アミューズソフトエンタテインメント
(2006-01-27)
EAN:4527427652941
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「やさしくキスをして [DVD]」のカスタマーレビュー

女としては・・・ロシーンに軍配!!!
ケン・ローチってすごい監督だなあと唸らされた一本。
愛しあう二人に民族問題を掛け合わせて
観る人にここまで考えさせるなんて。
とにかくキャスティングが秀逸です。特にカシム役のアッタ・ヤクブ。
彼の優しいまなざし、イスラム特有の男らしさが素直に出ていて、
作品中で、ロシーンがカシムに惹かれたのが自然に受け入れられました。

蛇足かもしれませんが、日本人女性×トルコ人男性のカップルの友人がまさに
これと同じ問題で悩んでいたので、本作は他人事に思えませんでした。
日本人からすれば
「えーそんなの二人の愛が成就することを思えば
トルコの古い風習から脱却することなんて
大きな犠牲じゃないじゃない!」と思えることでも
自分のコミュニティと恋人の間に挟まれたトルコ人にしてみれば
そんな簡単な問題ではないようです。

ちなみに上記の日本人の友人は
「愛だけでは乗り越えられない」と言いつつ
結局相手の文化に対するリスペクトがそもそも少ないという落ち度がありましたが、
本作のロシーンの場合は相手を打算なく愛する気持ち、
相手の文化を尊重し歩み寄ろうとする気持ちを持っているのに
カシムはロシーンと同じくらい苦しんでいなかったのでは?
どこか逃げていたのでは?という印象を受けたので
ロシーンにすごく同情してしまいました。
特にカシムの家族。慣習も大事だけど変化を受け入れることももっと大事だよ!
って言いたくなりました・・。

スペイン旅行でケンカした場面での
「私なんてどうせ(同じ国の女性との)結婚までの遊びの相手なんでしょ!」
というセリフには胸が締め付けられてしまいました。
友人の日本人の「トルコ人の彼には結局トルコ人のお嫁さんが一番いいんだと思う」
という言葉を彷彿とさせるシーンでしたので・・。
うーん、男の人は女の人にこんな言葉をいわせちゃだめですよ!!
やりきれなさと、同時に感じるさわやかさ
「スイート・シックスティーン」
「麦の穂を揺らす風」
に続く私にとって三作品目の
ケン・ローチ監督作品である。

非常に社会性が強く、テーマも重たい映画なのだが
エンターティメント性も失わないのが
ケン・ローチだと再認識させてくれた作品であった。

日本人(私も入れて無宗教の人は特に)は
異教徒との交際が家族を引き裂く
なんてことを考える人は少ないと思うが、
今現在世界中で起きている紛争の原因の多くが
宗教である現実を思うとこれぐらいの話は
おそらく掃いて捨てるほどあるのであろう。

ここで私が強く思ったのは「愛」とは何かということが
当事者だけでは決められない世界(日本も含めて)があるのが現実なのだということだ。

宗教、民族、人種・・・・その要因はさまざまあると思うが、その数だけ矛盾を感じる。
独身の自分にそれを言う権利があるのかどうかは分からないが、当事者が勢いだけでなく、深く理解をしたうえでの「愛」ならば、そういったことをこえて、周りは祝福すべきではないであろうか。

最後の彼の問いかけ、それに対する彼女のその答えが非常に心に残り、やりきれなさと同時にさわやかさを感じる非常にいい映画である。

もっとケン・ローチを追いかけようと思わせた作品であった。
無宗教でない日本人も居ます
私もかつて、いざ結婚となった時に、お互いが違う宗教ということで、両家の対立を経験しました。しかも、両家とも自分たちの宗教が一番素晴らしいと信じて、絶対に疑わず、譲らずです。そういう経験を持つので、私は涙なしにはこの作品は見られなかったです。結局、お互いが自分たちの殻を破らなくては進んでいけないのです。
宗教のみならず、いまだに親が子の全てに口を出し命令している場合も少なくありません。これも我が家を見ているようでした。
親はやはり子供の選択を信じてあげて、尊重しなくてはならないと思います。
私は自由に自分の意志で選択し行動している人が羨ましいです。そうなりたいと強く思うのですが、ずっとマインドコントロールされて育つと、親に逆らうのが悲しくもなり反抗する自分が情けなくもなり、どうにもやりきれなくなるときがあるのです。
何が一番大切なのかを非常に考えさせられる話でした。
心の葛藤は人それぞれ違うものです。
恋愛映画として捉えるのもありなんだとも思います。互いに自分自身に無いものを埋め合える相手に出会えること。
どんな大きな壁をも乗り越えられると信じることができるのも、愛し合える人に出会えた時です。
純愛映画ですな
グラスゴーに住む、パキスタン男性とアイルランド女性の恋愛映画なのだが、やはり恋愛物語
は壁があった方が盛り上がりますな。
描き方も丁寧なのは、さすがケン・ローチ。一見、元凶のように見えるカシムの親父も、実は
すごい子供思いなのが分かる。カシムもそれが分かっているから、家族とロシーンの板ばさみ
に悩むわけである。
ヨーロッパ人は”自主性”を重んじるが、それはヨーロッパが裕福だからに他ならない。貧し
い地域では、生きていくために家族の助け合いが必要になる。欧米や日本のような先進国以外
のほとんどの国が、生きていくためにコミュニティによる助け合い社会で暮らしている。それ
は時には不自由を伴うものだ。
しかし、個人の自由を重んじる先進国社会の人間は自由である反面、肥大化したエゴがもたら
す孤独感に悩まされる。ロシーンはそんな先進国の人間である。だから、虚勢を張って強く生
き、孤独を恋愛で埋め合わせようと努力する。ロシーンの気持ちは現代日本人には理解しやす
いと思う。だが、カシムにとって”孤独”とは家族との離反であり、コミュニティからの逸脱
に他ならないから、ロシーンのように周囲を省みずに恋愛に突進できないのだ。だから、カシ
ムは悪くない。カシムの家族も悪くない。ロシーンだって恋愛を妨害されて腹が立ちながら
も、自分の孤独と比較して家族があれこれ心配してくれるカシムが羨ましかったのではないだ
ろうか。ひとりけなげで勝気なロシーンだって悪気はない。誰も悪くはない。ただ、育った文
化が違いすぎたのだ。最後には二人の愛情には偽りが無いことを証明して映画は終わる。悲し
いが、だからこそ純愛は成立する。
宗教に引き裂かれる愛
3人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
スコットランドに移住してきたパキスタン人一家の長男カシム。アイルランド系カソリックのバツイチ音楽教師ロシーン。カシムの妹が人種差別的イジメを受けたことがきっかけで2人は電撃的に恋に落ちるが、分厚い宗教の壁が2人の前に立ちはだかる。

一貫して第3世界の人々を描いてきたケン・ローチが今回スポットライトをあてたのは<愛は宗教の壁を越えられるか>というテーマだ。日本人同士の結婚の場合、家柄が問題にされることが多いが、カシムとロシーンの愛にのしかかるプレッシャーは、極東民族の想像をはるかにこえるほど重たい。

根底に人種差別問題があるため、2人の関係に少し亀裂が入ると「君に僕たち民族の苦しみは理解できない」みたいな言い方をカシムがする。ロシーンはカシムのそういう態度を「卑怯」だと指摘する。ただ2人の問題を民族問題にすり替えてるだけだと。

カシムの家族、そしてロシーンの教区を担当する司祭が、あの手この手で2人を引き離そうとする。若い時の恋というのは邪魔が入れば入るほど燃え上がるものだが、勢いで無理やりくっついてしまった2人の将来は、映画が示した楽観的結末ほど甘くはないはずだ。

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