「エロス+虐殺〈ロング・バージョン〉 [DVD]」のカスタマーレビュー
このバージョンの方がいい
きてますね。この映画。
非常にきれいな映像、きれいな音、強烈なセリフがつぎつぎと出る。
岡田菜莉子(ちょっとふっくら。が、雰囲気が凄い)も細川俊之(声がいい)も。(69年の二人はエグイが…)
恋愛映画としても、楽しめました。
2時間45分版とテイストは変わりありませんが、この映画が好きなら、ロングバージョンでしょうね。これを見たあと、短いものを見ると物足りません。
3時間36分。大満足です。
★日本映画を代表する「反映画の金字塔」★
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昨今「昭和の映画監督・この一本」と主題を決め、日本映画を観まくっています。
この映画は、当時の「日本実験映画の金字塔的な作品」であり、良くも悪くも天才・吉田監督の代表作だと思います。「モンスター監督・吉田貴重」を象徴した、貴重な一作であり、日本映画史上に輝く「反映画」の金字塔であり、吉田監督のアンチ・ヒーロー性を物語る作品です。
それ故、ひとつ星か五つ星かしかなく、そのため、その中間の3つ星となりました。
しかし、ある意味では、ゴタールの中期以降の作品のように「思考」「知性」だけが肥大化した作品だとも感じました。
見終わった後、「こころに響く」ものが無いからです。
単に「映画の勉強」であれば、美意識の高さと映像表現の豊かさに圧倒され、かつ饒舌なダイアローグに翻弄されつつも、しかしなぜか「空虚な作品」だと感じました。
映像と言語、双方があまりにも饒舌であり、かつ拮抗しているが故に、ワン・カットの情報量が多すぎ、かつ完成度が高いため、それが3時間を超えるともう疲れ果てました。
確かに吉田監督は天才であったのもしれません。
しかし個人的には、小津・黒澤も世界に誇れる天才的な監督だと信じています。しかも、両監督には「東京物語」「七人の侍」という世界の人達の「こころを打った作品」があり、それは決して色褪せない。
同じ土俵で比較できない三監督ではありますが。
三者が三様に各々の異なる世界を追求し、極めたという点において。
私自身は、我が日本監督としては唯一・総合評価で「小津」を選びましたが、どちらかと言うと吉田監督に近く、小津・黒澤他の日本監督を再評価している次第です。
ただ、やはり世界的に困難な時代に突入した現在思うのは、映画に対しても、芸術性と人間性を兼ね備えた作品=国境を越えた、人間の根元にある普遍性を追求した主題を描き、こころの深みに響く作品を期待します。それも、安易なヒューマニズムに陥らず、かつできる限り、知性や技巧を排除して・・・ですが。そういった作品こそ、最も難しいと感じる今日この頃です。
映画の頂点
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映画とは自由だ。ゴダールの詩的世界と、アランレネの観念的なビジュアルアートを見事に融合させ、新しい世界を作り上げた。とても日本とは思えない映像美。映像とは無関係の台詞。音楽がほとんど無いのに、なぜか音楽が聞こえて来る。カラーでは絶対に作り出せない、凄まじい傑作だ!映画とはドラマだけを描くものではない。それに束縛されると、映画はただの感動できるかできないかで、終わってしまう。理解出来ない作品に出会った時こそ、脳は活性化されるのだ。
愛と革命を問う問題作
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小津安二郎に「君は若いくせに生意気だぞ」と言われた程の刺激的な作風で知られる吉田喜重の代表作「エロス+虐殺」。
大正12年、関東大震災のさなかに天皇暗殺計画を企てたとして検挙され虐殺されたアナーキスト大杉栄と、女性文学集団青鞜社の編集委員伊藤野枝の恋愛を中心に、60年代の若者の性愛をコラージュ的に張り込みながら、愛と革命、歴史と記憶について、鮮烈なモノクロ映像でみせる。
嫉妬と自我の強さを目で演技する岡田茉莉子が白眉。現代の青年役を演じる原田大二郎の体当たりの役作りも見もの。
とにかく、露出オーバーによりかえって静謐になったモノクロ画面構成から、暴力的な一柳慧のロック・ミュージック、斜めから日本家屋を覗く特徴的なカット割りで構成される異常な迫力は吉田ならでは。
いつでも愛だけが問題だという吉田の情熱が満ちた傑作。