ジョージ・オーウェルの『1984』というSF小説があります。そこに描かれる何もかも当局に管理された社会では、音楽までも、機械がランダムに言葉を組み替えて製造してしまいます。
どうも最近、はからずもそんな音楽が巷にあふれているように感じていました。あるいは自分の耳が以前ほど、音楽に対する感受性を持たなくなってしまったのかな、と・・・。
でも、このアルバムを聞いて、やっぱり音楽業界の方が沙漠になりつつあるんだな、と確信しました。本作は、渇いた耳に文字通りしみわたる、極上のポップスです。
ショコラのヴィブラートのない、まっすぐな声が、片寄明人の抑揚のある艶っぽい声で包まれて、一つの完全に調和した世界を創っています(ジャケットが象徴的かも)。ほかの方が書かれているように、バックも何をすべきかわかってらっしゃる仕事人がずらりと揃いぶみですよ。
丁寧に作りこんだ良質の音楽も、ちゃんと評価されるんだ、ということを示す意味で、ぜひともこのアルバムは、もっとたくさんの人に聴いてほしいです。少々売れたくらいで、音楽的に妥協するようなお二人ではないでしょうし。
あと、ショコラのHPから、このアルバムの曲に関するお二人のコメントを見ることができます。深く分かりあっていたり、まるで別のことを考えていたり。でもアウトプットはこんなにも、すばらしい。夫婦って不思議です。

沙漠のスコール
センス最高です