「レディ・ジョーカー [DVD]」のカスタマーレビュー
原作の映画化失敗例の見本
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<原作未読・映画版のみの評価>
とにかく「分かりにくい」。この一語に尽きる。
原作未読では初っ端から置いてきぼりを食らう。序盤の三十分くらいはストーリー以前に、基本的な人間関係すらさっぱり掴めない。多くの人間が登場する割りに、あまりにも各人物に対する説明が不足し過ぎているからだ。見ている間、こいつらは、何の目的で、何を思い、何をやっているのかという、基本的な動機や心理的背景がまったく伝わって来ない。その後のストーリー展開もダラダラとしているのにやはり分かりにくい。
画面に出る登場人物の役名も小さすぎて読み辛いし、音量バランスも悪く、ぼそぼそ話すシーンで何を言ってるか聞こえないのでボリュームを上げると、すぐ次のシーンではやたら効果音がデカくなったりと、とにかくストーリー以前に、もっと基本的な部分での「観客に対する配慮」が無く、終始イライラさせられる。
原作を映画化するセンス云々もそうだが、それ以前に、監督にクリエイターとして必要な「基本的なセンス」が欠けている。
やっぱりね…
私にとって高村氏の作品は思い入れが有り過ぎます。だからほんの少しの期待は持っていたものの「やっぱりね…映画化なんか無理だよ」と思ってしまいました。原作のあの緊張感は感じられなかったし。渡さんが物井だと【上品なオジサマ】になっちゃいますよ…。テレビドラマだとしたら許せるけど映画となると物足りないなぁ。吉川さんの半田はカッコ良すぎますが結構原作のイメージがして良かったです。徳重さんの合田雄一郎…やっぱりなぁ…違うんだよなぁ。頑張って無機質な雰囲気出そうとしてるのが伝わっちゃうんですよ…。合田に関しては誰が演じようと満足することはないんでしょうけどね。
違うキャストで
2人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
合田役に、徳重さんは、可哀相なくらい若過ぎました。
荷が重過ぎて、酷だったと思います。
何かもう、軍団のキャンペーンに映画が利用されてしまってましたね。
NHKが1995年に放映した『照柿』キャストでリメイクしてほしいです。
すなわち、合田刑事に、三浦友和です。
そのNHKのドラマで、義兄の加納祐介を白龍が演じていて、三浦との組み合わせだと
とても絡みが良く、二人の間に色気を感じて良かったので、また観たいです。
映画は観るな、でも原作は読め。
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原作は、高村薫作品でも最高位を争うほどの素晴らしい出来で、
濃密かつ硬質な文章は、圧倒的に読者を惹きつける魅力があるだけに、
この映画のざまはとても残念です。
この映画は原作読んでなければ観る必要ないし、観てもわからない。
何故なら、商業ベースの2時間程度に無理やりまとめているため、
犯罪の背景や動機など、原作の肝心な部分が殆ど描かれていないからだ。
日本の企業とそれを取り巻く闇の領域を鋭くえぐっていて、
どう読んでも犯人側に肩入れしてしまうほどすばらしいノワール小説なのに。
映画の出来のお粗末さを否定するつもりはないが、
原作読まずに映画だけ評価するのは、あまりさんこうにならない。
「映画化」とは何か?
2人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
小説を映画化するとはどういうことなのだろうか?
無論、原作をそのまま「映像」化することが「映画」化ではない。では「映画」化とは何なのだろうか。
この映画では、作り手が重厚な原作を扱えい兼ねている感じが随所に見られる。原作を十分に読み込み、そして作り手の世界観を対峙させながら、原作と映画に緊張感のある関係が作れた時に、その「映画」は「映画」として自立した作品になるのだろう。
その意味では、残念ながら「レディ・ジョーカー」は作り手に恵まれていない。東北の寒村、理不尽な解雇、身体障害者の娘を抱える父親、学歴のない旋盤工、在日朝鮮人、地方競馬場、被差別部落、そして一方に大企業…。次々と盛り込まれた社会的マイノリティーと、それとは対照的な大企業の一族。この見えすぎた構図の中では、そのいずれにも観ている者は感情移入ができない。そして、そのいずれもが現代日本の社会的問題を浮き彫りにしない。
また、演技派ぞろいの俳優陣の中で、本作が映画デビューだという合田刑事役の徳重聡の演技の拙さが際立ってしまっている。彼はモデル向きなのか、セリフがない立ち姿のときにはいい雰囲気を醸しだしているが、演技をすると途端に画面から浮いてしまう。彼の起用はスポンサーの意向なのかもしれないが、これも原作を読み込めていない結果だと思う。
原作を映画化するための最大の条件は、まず原作をきちんと読み込めるだけの「批評性」を作り手が持つことだろう。そんなことを強く感じさせる映画だった。