季節の中で [DVD]

トニー・ブイ
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
(2004-09-17)
EAN:4988113200479
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「季節の中で [DVD]」のカスタマーレビュー

ありふれた、しかし筆舌に尽くしがたい情景
観る側のオリエンタリズムへの期待を越えて、どこか普遍的な、
だが言いようによってはごくありふれた、四つの愛の物語。


それぞれの物語が微かに交差する様子など、観る者を楽しませる。
湿度の高めな映像が、そこに生きる人々の生活を立体的に感じさせてくれる。
いろいろな意図が孕まれているとは思うが、個々に取り出してもあまり意味はないかもしれない。
なんというか、四つの並行する物語という方法を用いて、一つの大きな情景を描き出しているような印象。
そして、個々のそれがどんな様態であれ、そこに煌めく人生のありふれた美しさに、ただ静かに胸を打たれる。

言葉にしてしまえば実にそっけないのだが、とてもこれで伝わるとは思えない。
ようするに、ボク自身いったい何に触発されたのか、よく理解できていないのだろう。
己が感性の愚鈍さを寂しく思うとともに、この作品を撮った監督に憧憬に近い嫉妬を覚える。


こういった淡い物語で人を感動させることができるというのは、なんと素晴らしいことだろう。

ボクはいつも、薄口の、しかしよく手間のかかったスープを思い浮かべる。
微かな風味の中に、多様な色彩が秘められているような、その豊穣。
その機微を味わえるというのは、それ自体が稀有な幸福であるだろうし、
またそのようなスープを作れることは、それ自体が誇りともなりうるだろう。
個人的には大満足。こういう映画が評価されるって嬉しい。
まずは個人的に、このような複数のエピソードをからめながら、
その土地、国の風景や情緒あふれる映像美、
そしてキャラクターの個性、
そういうのを上手に一つの作品としてまとめる映画が大好きです。
(だからメキシコのイニャリトゥ監督も好き)

この映画は、基本的には4組の男女の物語が綴られていきますが、
大きなエピソードではなく、その人々の人生の瞬間瞬間をとらえたような、
そんな演出がとてもいい。

どのエピソードもいいけれど、やっぱりシクロ運転手とウッディ少年のエピソードが好きかな。

ジャケットに使用されているシーンをみたときにはいい意味で鳥肌が立ちました。
その時のセリフもいい。

ヴぇトナムを舞台にした映画は
「夏至」
という素晴らしい作品もありますが、こちらも負けず劣らず、かなりいい映画です。
本当にお勧めの作品です。
ベトナムの風景を堪能
4人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
街が、家が、庶民の暮らしぶりが、美しい映像で展開されます。
超有名俳優が出ていないせいか、背景となるベトナムの街の空気が濃く感じられる映画です。
ジャケットになっている、娼婦と赤い花のシーンが大好きです。
ありにままに生きる
11人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
この映画は「季節の中で」というタイトルとベトナムの新鋭トニー・ブイの監督作ということに惹かれて観た。開巻劈頭、白蓮の池に女達が手漕ぎの小舟で花摘みに出るシーンの美しさに圧倒され、映画の中に引き込まれてしまった。そして、花摘みの女と病に不治の冒された彼女の雇い主(詩人)、売春婦に思いを寄せるシクロ(自転車タクシー)の運転手、ベトナムの女性との間に生まれた自分の娘を探す元米兵、盗まれた商売道具を探す少年(元米兵と少年は失った自分の大事なものを探すという点では同じテーマともいえよう)、巧みに絡み合うストーリーに魅了される。
それぞれの主人公はベトナムの街ですれ違いながらそれぞれのストーリーは断片的に展開する。観ている者はあたかもパズルのピースを一つ一つはめ込んでいくかのようにラストに向う。そして、「ありのままに生きよう」というシクロの運転手の言葉のようにこの映画に出てくる人々は自分に正直にありのままに生きるあるいは生きようとしていることに気づかされる。忙しく生きる現代の日本において最も欠けているものだからかもしれないが、心が癒されラストには胸が熱くなる。全体的に言葉が少なく映像と主人公達の感情表現で伝える静かな映画だ。(特に元米兵を演じるハーベイ・カイテルが帰国前の会食で娘を見つけた時の演技は最高だった。カメラは彼の表情のみを映し、表情の変化のみで観るものに娘との再会の瞬間の彼の感情を伝えている)
製作にもかかわったハーベイ・カイテルは本当に良い作品を発掘したものだ。
美しく、優しく、人に希望を与えてくれる映画がこれだ。
13人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
1999年の作品。場所はベトナム、ハノイ。ここには「シクロ」という乗り物がある。人を運ぶ三輪車であり、人力車である。運転手は「シクロ乗り」といわれている。この町には欠かせない乗り物である。
シクロ乗りの中にいつも本を読んでいる男がいる。独特の哲学もって最近のベトナムの風潮に批判的である。この男の目から見たベトナム。彼を中心に色々な人がつながっていく。
娼婦。勤労少年。蓮を育て、蓮の花を町で売る女性。(雇用主がハンセンシ病)。自分の娘を捜しているアメリカの男。
哲学者のシクロ乗りの周辺はどうなっていくのか。

彼は、娼婦に恋をした。そして一緒に生活しそうである。
「ありのままに、素直にいきていこう」
これがこの監督の哲学なのか。町の風景は僕にとっては懐かしい懐かしい。文句なくいい。救われる。104分。

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