1枚目の本編ディスクに収められている音声解説のひとつが、ブレット・ラトナー監督と、『羊たちの沈黙』も手がけていた脚本家テッド・タリとの対話形式のコメンタリー。エネルギッシュかつ早口でしゃべりまくるラトナーにT・タリも押され気味だが、登場人物のひとりが実はカツラをつけていることや各シーンでの撮影裏話などがテンポ良く語られていて興味深く聞ける。ただ全体的に「素晴らしい」「ここはとても良かった」的な自画自賛やスタッフのベタ褒めも連発されるのでそれに辟易してしまう人もいるかも知れない。
もう一種の音声解説は音楽を担当したダニー・エルフマン単独のコメンタリー。ここでは人物の台詞や効果音を抜いて音楽部分のみを取り出した画面をバックにD・エルフマンが話している。作曲者自身が音楽について語るのは面白い試みであるが、反面、エルフマンが沈黙している間は映像自体も完全に無音で(基本的には音楽が入りだすあたりで話しだすので)、ちょっと間が持たないかな?という気がする。
2枚目の特典ディスクは、削除されたシーンをはじめほとんどのコンテンツでB・ラトナーによる音声解説もついていて、とどめはラトナーが学生時代に撮ったというアマチュア感丸出しの自主制作映画(約3分間)の収録。メイキングをかねた「B・ラトナーの撮影日記」もひっくるめ、徹底的に監督自身のパーソナリティが前面に出たソフトといえる。この特典ディスクの中では「スクリーン&フィルムテスト」がなかなか楽しい。主演のエドワート・ノートンが衣装テストのためにリラックスした表情で様々な服を着替えてカメラの前に立つ姿を軽快な編集テンポでつないで見せてくれる。ひとつの映画のためにこれだけ多くの衣装の色合わせや人物とのマッチングを試すのだ、という舞台裏が伺えて面白いものだ。予備で撮っておいた検討用の別テイクのフィルムなど、この映画に関するあらゆる映像資料がすべて集められた記録集ともいえる豊富な特典に、お腹いっぱいになること請け合いだ。