初恋 [DVD]

アミューズ・ビデオ
(2000-10-27)
EAN:4900950180905
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「初恋 [DVD]」のカスタマーレビュー

2回以上観て惚れ込む映画
原題は「初纏后・2人世界」
王家衛プロデュース作品…と言っても、彼は現場にほとんど顔を見せなかったらしいが、
それは初監督だったエリック・コットに惚れこんでいたせい?

一貫したストーリーというものは皆無。
かなりぶっとんだ没脚本(とおぼしき、とりとめもない話)に、
エリックの冗談のような語りを重ね、映画完成までをなぞるようなかたちで、
6つ(?)の恋が綴られてゆく。
現場は、その日その日でスケジュールが変更されていったらしく、
鉄火場のような凄惨やったことだろう…
すべてがプロに委ねられ、天気マチやら照明マチやら含めて計算づくしのムービーとは
まったく制作スタイルが違う(のがこの映画を観ると実感できる)。

…が、しかし。
エリックの演出と金城武やカレン・モクがもっている超能力のような表現力が、
クリストファー・ドイルの、遊んでるのか真剣なのかよくわからない俺流カメラワークと
相まって、阿呆のようなイキオイで映画的映像が、
奔流となってフィルム粒子の大河を逆流するのだ。

その果てに、観終わって感じとるこの感情はいったいなんだろう。
エリックは直接、画面のこちら側に語りかけてくる。
そしてこの映画のタイトルが「初恋」であったことをまざまざと思い出させてくれる。

初出演のリー・ウェイウェイ(李維維)…彼女の佇みや表情がすごくいい。
杜可風が写真集を出したらしいのだが…。
とりあえず最後まで
夢遊病の女の子のお話、と聞いて、香港映画だし面白そうなので見てみました。
最初は何がなんだかわかりませんでした。
まず、監督のエリック・コットがカメラに向かって(なぜか白のランニングシャツ姿で)この映画が出来るまでのいきさつ、どういうものを作ろうと思ったかという構想について延々と語ります。
その構想ひとつひとつを実際に映像にしていて(監督も出演しています)思いつくままという感じでコロコロ場面が変わり、その間も監督の解説は続きます。
これは一体どういう映画なんだ??・・・だんだん疲れてきて、アフロのオカマが出てきた時には途中でもう見るのやめようかな・・・、とかなり本気で思いました。
けど何とか見続けたわけですが、結果としては最後まで見て正解でした。
監督の長話のあとにはちゃんと2本の作品が収録されています。
前半は夢遊病の女の子が街を徘徊する話。(金城武が一緒についてまわる)
後半は監督主演の、過去の恋人におびえる男の話。
どちらも良かったですが、個人的には後半の話が特に好きでした。
こういうテーマでしっかり一つの物語を作り上げてるのは、やっぱり香港映画ならではかなぁ、という気がします。
エンディングにはグラスホッパーが歌うラップ調の軽快な音楽に合わせ、さまざまな映像が流れますが、これにも監督が出演しています。
このエンディングがまたとても良くて、ああ途中でやめなくてよかった、と思いました。
好き嫌いの分かれる作品かもしれませんが、とりあえずは最後まで見てみることをおすすめします。


エリックの初恋メモリー
1人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
もともと葛民輝(エリック・コット)は好きでした。『初恋』を観て、ますます彼のことが好きになりました。
役者としては百戦錬磨の彼、王家衛御大のご指名で初めて映画を作る側に。おそらく彼がそこで感じた自信のなさや、怖さや、戸惑いや、でも楽しさや、やりがいや、そんな思いをみんな正直につめこんだのが、この作品だと思います。いってみれば作品の中で、監督葛民輝が生まれ、育っているのです。
「映画」というものに対して、こんなにも誠実な作品は、まれだと思うのです。ラストシーンもふくめて、この作品が裸の葛民輝であると私は信じたい。彼が映画作家となれるのか、作品を作り続けていけるのか、それはだれにもわからないけれど、ともかく『初恋』は、彼にしか作れないまぎれもない「映画」です。誰がなんと言おうと。
音楽は最高!脚本もいい。少なくとも一部の王家衛作品の、時に饒舌なだけのナレーションよりはずっとセンスがあります(注:あくまで個人的意見ですよ!)。「恋忘れ酒」って、ちょっと切なくてすてきですよね。もしこれが葛民輝のオリジナル脚本だとしたら、彼の小説も読んでみたいな。
不思議だけれど極めて真面目に。
3人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
監督のエリックは金城クンのことを「足のない鳥が飛び続けている」様に仕事をすると言ったそうですが、ものすごく核心を突いてると思います。最近のインタヴューで”ボクのする役はだいたい同じ様な性格だから…”と答えている彼は(他で”常に違うキャラを演じたい”と答えている!)、実のところ全く演技していないのではないかと思わせる時があります。それが彼の魅力であったり怪しさであったりするわけですが、「初恋」での彼は「天使の涙」のモウをバージョンアップさせたようなイメージで出て来ます。妙に可愛い。

主に二話のオムニバスで、「恋する…」の時はもちろんタケちゃんの話が好きでしたが、今回は後半のカレンの話に心が動きました。指輪と黄色い手編みのベスト、コーラとタルトに写真の現像…ラストはウルッときますョ。

特典で予告の日本版があり、その中のタケちゃんが一番好きな彼のイメージなので一言付け加えます。「断片バージョン」のカレンのヒモ(!)役もなかなかのモノ。
ところで、リー・ウェイウェイちゃんの出ているタケちゃんのプロモって何でしょうか?

すてきな世界
3人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
真夜中ネオンの街に走るバスの暑い空気、水槽に沈む大量のコカコーラのビン、喫茶店でのショットの芸の細かさ(!)などの映像も印象に残ってます。監督エリック・コットの「初恋」にはやられました。音楽と映像と相まみえて、何かきゅーんと心にくるモノがある映画。オープニングの広東語ラップが頭から離れない・・・

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