コンパクトな内容ながら、豊富な例示と図解、さらによくまとまった説明によって、感覚的にゲーム理論のイロハがなんとなく理解できるようになっている。ゲーム理論って何?とか、統計学の本でゲーム理論が出てきたが、もうひとつよくわからないので最初に全体をざっと通して大まかに把握しておきたいという用途で読むには良いと思われる。タイトル通り、電車の中で軽く読めたので、通勤族にはありがたい。
世の中、何でも完璧に詳しく知ることができればそれに越したことはない。しかし、例えば、中身を完璧に理解して使って携帯電話やパソコンを使っている人はまずいないし、世の中の経営者のすべてがMBAを持っているわけでもない。そもそも、理論を完璧に覚えたところで、自然科学の世界とは違う人間世界においてその通りにうまく適用できるとは限らない。つまり、こういう本はこういう本で一定の役割がある。
ただ、このような初心者用の紹介本は、その分野に関心を持った読者が次に何を読めばいいかを示すことも重要な役目ではないかと思われるので、参考文献や、お勧めの書籍といった部分はもっと充実させてもよかったのではないかと思う。数行載ってはいるのだけれど、これではあまりに寂しい。また、北朝鮮の例とか、サッカーのブラジル代表の例とか、悪くはないのだけれど、素人目で見てもちょっと強引すぎるのではないかという例が多かった。例示で理解させるというアイディア自体は悪くないだけに、この点はもうひとひねりあってもよかったのではないかと思われる。

通勤電車で気軽に読める
ハンディーながら内容の濃いゲーム理論の解説書