カップリングは「グローバル企業の一部門を任されるエリート×謎の美青年」。
出逢いは受けである謎の美青年が、攻めの飼っている犬に逢いたいというだけの理由で出張ホストとして出向いたことから始まる。
一夜限りだけの逢瀬のはずが、お互いに強く惹かれ合うのを感じ、「出張ホストは毎回違う人間」という自分なりのポリシーを曲げ、
何度も謎めいた受けを指名したことから、二人の関係は深まって行く。
だが、一向に謎めいた青年の素性は分からない。
というよりも、お互いに詮索しない、そんな関係を二人は楽しんでいた。
だが徐々に二人の気持ちは、主人と客という関係だけには留まらず、プライベートにまで及んで行く。
出張でフィレンツェに訪れた町中のカフェで、受けどばったり出くわし驚く攻めに、
偶然逢えたら良いなとは思っていたけれど、こんなに早く逢えるとは思っていなかった、と受けは婉然と微笑む。
束の間だが濃厚なフィレンツェでの逢瀬。
お互いに他人には殆ど興味を示さない性格のはずが、どんどん惹かれ合って行く。
しかし、帰国後、攻めの進めていたプロジェクトを出し抜く企業が現れた。
前々から社内に情報漏洩の疑いがあることを懸念していた攻めが調査を進めると、意外な事実が。
それは自分を出し抜いた男の弟が、愛し始めた彼であり、実は出張ホストなどではなく────。
問いつめようとした攻めに「何を言ってるのかわからない!」と反抗され、逆上した攻めは彼をレイプまがいに抱いてしまう。
しかし、痛ましい姿に、せめて手当をしようとした隙に逃げ出した受けとは、それ以来連絡が取れなくなってしまった……。
謎めいた受けの言動や、天真爛漫でありながらも掴みどころの無い行動などが、とても魅力的でした。
攻めもまた、人を本気で愛したことがないはずが、受けに逢うたびに強烈に惹かれて行き、
そのこと自体に戸惑っている姿が人間味があって良かったです。
ストーリーも最初に伏線があり、何となく匂わせながらも最後まで上手く引っ張って行ったのは素晴らしいと思いました。
全体的な流れも、キャラクターの魅力も、各バックグラウンドも説得力があります。
敢えて星4つにしたのは、まとまり過ぎていたからです。
まとまっているから星4つというのはおかしいと思われるかも知れませんが、
もう少しストーリーの中に起伏が欲しいと思ったからです。
これは私個人の我が儘のようなものなので、全体的な評価から言えば星5つでも良いと思います。
読む価値は充分にある作品だと思いました。

あっさり纏まり過ぎた感じが……