刑法って難しい。
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・読みやすく、筋も一貫していると評判がよかったので購入しましたが、いまひとつ
良さがわからず、基本書は他のものにすることにしました。
・筋が通っているというのは確かにそうかもしれませんが、この密度ではあまり多くの
議論までフォローすることはできません。あくまで入門書といったところでしょうか。
結局応用のところは自分で調べて補充しなければならないので、これを読んだからといって
急に刑法が得意になるとは言いにくいと思います。
・学説はかなり特色が強いです。中山先生の体系書は入手しにくいですし、
門下の先生方の体系書も独自色がかなり強いです。本書で概要をつかんでも、
もし他のメジャーな体系書に進んだ場合、一から勉強をしなおさなければならない
可能性が高いと思います。
・レジュメや問題が付されていますが、どっちみちノートは自分で作り、問題は別途、
演習書や問題集を使うしかないので、私はそれほど意味を感じませんでした。
・中山先生門下の先生が担当教授であるという人以外には、特におすすめしません。
ただ、定番の体系書の脇において参考書として使う分には悪くないと思います。
・中山先生には本書よりも、お元気であるなら、『刑法総論(1982年)』の方を
改訂していただきたいです。
わかりやすく、刑法の楽しさ、奥深さを教えてくれた本
14人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
この本と出会う前は、
いわゆる結果無価値と行為無価値の折衷的な説のテキストで学習してきた。
たしかに、これらの説は学習するという面で(説の妥当性その他は別として)「直感的な結論のわかりやすさ」という点で優れていると思う。
しかし、学習が進んでくるにつれて、結論こそ法律学を学ぶ前の「感覚」ではわかりやすいが、どうしても「その結論に至るまでの経緯」がわかりづらいと感じるようになった。また、それと並行して「結論は知っているが、文章に直して論理的に説明することができない」という状況に陥った。特に「社会的相当性」や「国民の処罰感情」といった言葉を論理立てて説明することは、想像していたよりも非常に難しく、とても「他人を説得することができる」というレベルの文章にすることができなかった。
そんな状況の中でこの本を読んでみた。
この本は、解釈上の説の対立やその背景について、分量は少ないが平易な言葉で解説されており、レイアウトも「判例の立場」「通説の立場」「学説(自説)」といった形で整理されておりとてもわかりやすく感じた。そのため、途中で苦痛に感じることなく通読することが容易にできた。
また、それまでの「まず妥当な結論ありき、判例や通説の結論をまず覚えることからはじめる」という学習の姿勢から、
「どうしてそのような結論が導き出されるのか、なぜ妥当といえるのかということを考える」という学習の姿勢へと、変わっていくことが実感できた。
さらに、「結論に至るまでの経緯」を無理なく考えていくことで自然と刑法理論の奥深さ、理論の背景となる価値観の多様性、学問としての解釈の楽しさを感じるようになってきた。
こういった経験から、これから刑法の学習をはじめる初学者、刑法に苦手意識を持つ学習者、他の説で学習してきたが行き詰まっている感覚を持つ学習者に是非お勧めしたい。