サバの生まれはイタリア東北部のトリエステという港町。昔の繁栄やオーストリア支配下の頃の栄華は既になく、本文の中のトリエステの街は、何処となく寂しい感じがぬぐえない。サバの詩もそれに添うように何処となく寂しさを感じさせるが、決して陰鬱ではなく、愛する人を謳ったもの、トリエステの街並みを謳ったものとさまざま。強風の吹くトリエステの街を、そこに暮らす人々を、サバの心象が言葉となって、美しく時にせつなく、たんたんと謳われてゆく。
須賀敦子さんの訳もまた、この作品のよさを一層引き立たせている。
拾い読みをしたり、何度も読み返したくなる詩集です。

トリエステの街をサバと歩いているような。