ある家族の会話 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

Natalia Ginzburg, 須賀 敦子
白水社 [単行本(ソフトカバー)]
(1997-10)
EAN:9784560071205
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眞明書房
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天使の奇跡
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「ある家族の会話 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)」のカスタマーレビュー

内容も翻訳も秀逸
8人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
第二次世界大戦前後を背景にしてユダヤ系イタリア人一家の歴史をたどった作品。
会話と行動描写のみで淡々と描かれているにもかかわらず、行間から湧き出ている怒りや悲しみに心を動かされる。
最後の章の、すべてを乗り越えてきた家族が以前と変わらぬ会話をかわす場面は一筋の光を読者に印象づける。
大げさな感情の表現なしでここまで深く大きな作品を作り出した著者に尊敬を覚えます。
特色のある本
8人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
まず、やはり須賀敦子の名訳を賞賛せねばなるまい。
実に自然でこなれた文章である。このような名訳で読んだわけ
なので、この本の本質を理解できる、と思うわけだが・・・。

どうもいまひとつしっくりこなかった、というのが偽らざる
感想である。ギンズブルグの家族の行動様式・思考パターンに
共鳴できないせいだと思うのだが、エキセントリックにも

感じられるエピソードが多く、そこに懐かしさ、のような
もの(これを著者は感じているであろう)を感じる術を私は
持たなかった。もちろん、こういう特定のワードや行動で
家族を感じるという事実を理解はできるが、自分自身をこの
世界に投影できなかったということである。批判的なニュアンスは

一切ない。共鳴できる方も多いであろう、という想像はつく。

ギンズブルクの筆力に脱帽
6人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
自分の家族のことをあんな風に書けるなんてすごい!あの本を書いたときに、彼女はすでに本を出版していて、充分に有名で、イタリア国内では、充分に尊敬される対象であったと思う。でも、このイタリアの近代史にのこるような、さまざまな分野で活躍していた家族について、あくまでも耽々とあるリズムをもって、誇示するわけでもなく、だからと言って感傷的になるわけでもなくつづられた文章は、本人にとっては意図的でないにしても、本当に深い感動を呼び起こす。家族の結末は決して楽観的なものでなかった。その時代、多くのユダヤ人だ経験してきた悲劇と同じだけか、それ以上の悲劇を経験しているにもかかわらず、そこにあるのは、家族に対する深い洞察と愛情、慈悲だけで、それ以上でも以下でもない。祖国の悲劇について、何かに責任を求めるわけでもなく、その時代の一証人としての存在を明らかにするだけにとどまっている。こんな文はなかなか書けないと思った。人物の特徴をとらえた筆致も特筆すべきものであろう。暗澹たる時代背景の中、この小説をおもしろくしているのは、作家の人物描写の凄腕のたまものであるといえる。ギンズブルクは、ファシズムを、あくまでも客観的に、一国民としてのスタンスで、でも、その時代のイタリア人としての人生をもって、向き合った姿勢で見据えている。家族を含めて充分にコミュニストとしての活動実績があったにもかかわらず、共感を求めるわけでもなく、小説の中では、完全に否定するわけでもなく。あくまでも日常の視点から見た政権や勢力として、向き合った視線で書いている。イタリアの近代史を知る上でも、充分に為になる小説だったと思う。

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