「ゴールデン・サイクル―「いざなぎ超え」の先にあるもの」のカスタマーレビュー
2004年に景気回復のいざなぎ越えを予測し見事的中
4人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本書は著者が2004年に刊行した「日本の景気―復活の兆しはここにある!」のアップデート版といえます。今日に至る長期の景気拡大を予測した著者は、予想の実現を背景に、いっそうの自信を持って執筆されています。
景気循環の考え方に基づく予測は、しばしば経験則に過ぎないとして軽視されます。実際、機械的に景気循環が生じることはありません。では循環論は無力かといえば、さにあらず。著者が豊富なデータを循環論の立場から再整理する手際は見事であり、循環論が経済指標の読み解き方として帰納的に一定の説得力を持つことが示されます。
ただし当然ながら未来のデータは手元になく、景気の展望予測は演繹に頼る他ない。今のところ景気循環は「結果的に観察される」ものでしかないという限界を踏まえ、未来に関して著者は誠実に筆致を抑えています。ゆえに本書を凡庸・期待外れと感じる読者もいるでしょうが、私は著者の慎重な姿勢を評価します。
景気サイクルを身につけたい経済学入門者、企画担当者などに有用。
8人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
・景気サイクルの種類(キッチン、ジュグラー、クズネッツ、コンドラチェフ)や、景気の山・谷の見方の入門・復習として役立つ。
・(P.67)「景気指数による予測」の限界(足元で大きな構造変化が進行している場合)も述べられている。
・実際にそうなるかどうかは別として、今後のコンドラチェフの波を引き起こす要因として考えうるもの(IT、多目的介護ロボットなど)が列挙されている(P.77)。また、過去の技術革新の一覧表、都内の主な大規模開発計画などの表もあって、経済関連の研究員や企業の企画部門にいる人などの参考資料として有用と思われる。
・結論としては、私は嶋中氏の公共投資についての考え方などに違和感があるが(地方の景況感が悪いのは公共投資削減が主因、との分析自体は賛成)、本書には使える材料が豊富にあり、読むに値したと思った。
学生さんが読む本
16人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
平成4年頃、会計事務所に勤務していたときの所長が大好きだった嶋中さんの本。
内容は、キチンサイクル、ジュグラーサイクル、クズネッツサイクル、コンドラチェフサイクルの4つの波が一度に上昇に転ずる「ゴールデンサイクル」の時代に日本が入っている、というもの。
以上!!ですね。
後書きに、この本の構想は2003年末にできあがっていた・・・と書かれていましたが、なら、景気が悪い悪いと言われていたその頃に出しておけばよかったのに・・・何故、今になって、と言われても仕方が無いでしょう。
しかし、「日本経済再生の鍵を握る4K」と目次にあったので、期待していたのだが・・・、そのあまりに凡庸さに絶句してしまいました。
経済学部の学生さんの入門書としては最適ですが、最前線で戦っている経営者が読む本ではありません。
データ豊富、しかし。
11人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
今後の日本はゴールデンサイクル、短期と長期のすべての景気循環が上方に向かう「黄金の時代」を迎えるのだ、という主張が統計データを多数交えながら延々と述べられている。
惜しむらくは、本来そのような「夢のある」内容であれば、夢を感じさせる読後感を得たいものなのだが、それが得られない。
とはいえ、「理論派」には説得力ある内容であるのは、否定できないだろう。