「サッカーを知的に愉しむ (光文社新書)」のカスタマーレビュー
興ざめ
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ヒディンク監督をヒディングと綴っているのをみて一気に興ざめした。
所詮は新書,この程度か。編集が悪いのか著者が無頓着なのか,その両方なのか・・・先のユーロ中継でもさかんに『ヒディング,ヒディング』と言っているのをTVでみかけたが,人の名前ぐらいはできる限り正確に記して欲しい。
この程度の誤りでもこの一冊に対する信頼がすっかり失せてしまった。手にとって見られないネット購入の弱点を痛感した。
サッカーの背景
この本は、94年のW杯アメリカ大会の批判から始まる。アメリカ人は「特別」だと著者は言う。サッカーは人数が少なくなってもその人数で最後まで戦い、ロスタイムの計測もいい加減なのでアメリカには長い間サッカーが根付かなかったのだと。よく日本では欧米と呼び、アメリカとヨーロッパを同じ考え方をするものとしてとらえているが、実際は違うらしい。欧では運・不運も含めてゲームを楽しむが、米は公平でなければ許せない。このあたり、欧米の違いが見られ、興味深い。
フーリガンについても少し触れられている。フーリガンの出現の背景は、なかなか複雑らしい。それだけヨーロッパではサッカーの存在が大きく、サッカーに情熱を注ぐ人々が多いという見方もできるだろう。日本でも最近、ガンバとレッズのサポーターが争いを起こし、チームは罰金を払わされている。もちろんこういう事件は防ぐべきなのだが、日本でもサッカー熱が高まったひとつの表れともいえる。
とりわけ印象に残るのがJリーグの百年構想である。Jリーグの各クラブがサッカーだけでなく総合的なスポーツ施設の整備や運営をし、スポーツ文化を地域に定着させようとするものである。プロ野球はすっかり文化として定着しているが、あれは企業の宣伝を前面に押し出したスポーツである。Jリーグは地元密着型のスポーツ文化なので、まったく発想が違う。Jリーグを中心として地域が活性化し、ついでにサッカーが強くなってW杯で優勝できるくらいになれば言うことはない。
日本独自のサッカーについても言及されている。私が考える日本の理想のサッカーは、攻撃的で、パスを回して相手ディフェンスを崩し、3点取ってもさらに4点目を取りにいくサッカー。今年のユーロのスペインやオランダのようなイメージである。そんなスタイルの日本が世界を席巻する日が来ることを願ってやまない。
もっとサッカーを愉しみたい方に。
著者は本当にサッカーが好きなのだなあ、という気持ちが伝わりました。W杯やJリーグについて易しく解説しこれからサッカーを楽しもうとする読者にも高いところから物を言う感じが全くない。他のスポーツとの比較を用い、スポーツとして、そしてビジネスとしてのサッカーについても言及している。日本や各国の戦術についても的確な分析をしているところがすばらしい。それらを示した上で、これから日本サッカーが進むべき方向性と美意識を提案している。非常に読後感のいい、さわやかな一冊です。
サッカー観戦術についてはよく分からず
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サッカーにはろくな思い出がありません。学校の授業ではあまりに下手くそなためサッカー部員に罵倒されどおしでした。これはサッカーに対するイメージを決定的に悪くしました。
とはいえ、そのような個人的な事情でサッカーそのものをくだらないものと決め付けるのはあまりに飛躍しすぎですし、だからサッカーが嫌いだ、と世間に公言しようものならたちまち変人扱いされるでしょう。男性がみんなと楽しく生きようと思うなら、芸術など分からなくてもいいが、少なくともサッカーを見て楽しめるぐらいにはなっておいたほうがいいのです。
この本は宮台真司著『1冊で1000冊』に「サッカー無知が治った本」として紹介されています。世界や日本におけるサッカーの現状、戦術に焦点を絞った観戦術等痒いところに手が届く懇切さ、と高く評価されています。
確かに、商業主義に組み込まれてサッカーそのものの面白みが失われつつある現状や、企業の論理で存亡の危機にある日本のサッカークラブ等についてはよく説明されています。
しかし、私が欲しい情報は「戦術に焦点を絞った観戦術」でした。ここのところはもう少し突っ込んだ説明がほしかった。イングランドやイタリアのチームの戦術的発想については少し述べられていますが、それならば「××年の××対○○の試合」など参考となるビデオなりDVDなりの情報を載せてほしい、というところでした。この点では必ずしも痒いところに手が届くものではありませんでした。
また、日本サッカーが伸びるためには、横並びでリスクを負いたがらない日本人の集団主義を改めることが必要だ、と述べられています。しかし、こうした考え方の行き着くところは、一握りの勝者とその他大勢の絶望した敗者、という社会です。著者の非常に無邪気な社会観には首を傾げざるを得ない。
著者の夢に共感
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この本を読んで深く印象に残っていることは、著者が夢想しているワールドカップでの日本代表の光景である。
たとえ試合に勝っていても、時間稼ぎのパス回しや相手を焦らせるような行為は一切せず、最後まで攻撃的なサッカーを続ける。
そして試合が終われば礼儀を忘れない。
私も著者のそんな夢にとても共感できた。