図説 バルカンの歴史 〔改訂新版〕 (ふくろうの本)

柴 宜弘
河出書房新社 [単行本]
(2006-04-13)
EAN:9784309760780
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「図説 バルカンの歴史 〔改訂新版〕 (ふくろうの本)」のカスタマーレビュー

「バルカン」の理解を助ける分かりやすい啓蒙書
14人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
バルカン半島の「バルカン」とは、本来「山」を意味しているように、厳しい地形に覆われた一帯で、歴史的に見ても地政学的リスクを伴ったエリアだという認識を持っています。

本書を読もうとした経緯は、地理的にも複雑な構造を持ち、歴史的にも様々な変遷を持つバルカンの成り立ちを理解したい、ということと併せて、なぜ「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれたのか、現在も抱えている諸問題の根源は何なのかを理解したかったということにありました。

各ページにふんだんに使用されている写真と図、年表を見ているだけで、この地域に内在する複雑さは理解できます。現在、モンテネグロが分離・独立したことにより、旧ユーゴスラビアは消滅し、最終的に以前の6カ国に分離したのは、宗教的、民族的、文化的、地理的な諸条件によるものであるのも再確認しました。多民族地域ゆえの複雑性が問題をより混沌とした状態にしています。

ただ、そのような過去の流れもあり建築物は異なった様式を持ち、自然景観も変化に富み、観光スポットとして見た場合、あまり知られていないがとても魅力的な文化遺産を持つ地域だということも理解しました。今や歴史的な価値を持つ統治時代の支配層の写真は、これらの国々の圧政を物語っています。

支配と被支配、征服と服従、対立と紛争等、因果の連鎖を知るにつれて、その根源的な理由の解消の難しさをますます感じてしまいました。

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