M(エム) (文春文庫)

文藝春秋 [文庫]
(2002-12)
EAN:9784167664022
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「M(エム) (文春文庫)」のカスタマーレビュー

SMエンターテインメント
サディズムとマゾヒズム。文筆家の多くはこの得体のしれない関係性に興味を惹かれるようだ。江戸川乱歩、谷崎潤一郎、沼正三などなど、多数の作家が自身の作品に取り上げてきた。馳星周の『M』も、その一つ。文芸と大衆文学の狭間で、巧くサド/マゾの関係性を描いている。ハードボイルド作家らしいアプローチだ。ただの官能小説に読みごたえを感じない人には、是非オススメしたい作品。

女性にも読んでもらいたい
6人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
男の手による情念の小説である。凄いものを読んだという気がしてならない。これは男にしか書けない。ぜひ女性にも読んでもらいたい。

小池真理子や山本文緒が「恋の情念」を描くのだとしたら、馳は「欲望の情念」を描いている。どちらが上等でどちらが下等だという議論は不毛である。感情が揺れ動き、制御できなくなり、奈落に落ちていく心の状態を余すことなく描く。確かに描かれている事は少し「特殊な事例」ではある。しかし一方ではどこか「思い当たる」所もある物語。それが小説を読むときの醍醐味であろう。

肩すかし
9人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 うーん。
 なんとなく、もっとえろーんな感じを想像していただけに、「肩すかしを食らっっちゃたなぁ」という印象の作品が多かった。たぶん、作者が意図するところとわたしが期待するところがすれ違っちゃったんでしょう。

 まずね、エロスを題材にしながら、肉体的な描写があまりないのが、どうにもいただけない。この作品集に登場する人々は、頭でファックしているのだ。欲望を説明し、正当化しすぎるのだ。

 読んでいて、「人間の情欲って、こんな直線的で分かりやすいもんじゃないよ」とかつっこみたくなってしまう。特に「人形」と表題作の「M」は、おお、基本的というかお約束の古き良き的な肉親へのコンプレックスがかなり直接的に登場人物たちの行動原理を規定しているので、容易に先の展開が読めてしまう。

 こういう「わかりやすさ」っていうのは(=単純化)にもつながり易くて、エンタメ小説としてはヤヴァイんじゃないでしょうか?

直木賞候補作!
3人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
馳星周の短編集。
元々、多数の登場人物の利害関係が入り組んでみんな落ちていくという話を書く人なので、短編は似合わないかな、という感じはしていたのですが。
短編と言うには一つ一つが長めのお話なので、そこそこは楽しめます。

でも、やっぱり長い話をたくさん書いてほしいなあ。

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