しかし、この価値観からは『死』という概念が捨象されています。
愛する者の死に直面したとき、また自らが不治の病に冒されたとき、死を見つめてこなかった反動が、そのとき一挙に襲い掛かり、どうにもならなくなります。
幸せって何なのさ。
良く生きるためには、死を見つめる必要があります。仮に死が間近に迫っていても、より良き死を迎えることが出来るのではないか。
昨日笑顔で分かれた友達が、数日後には骨になる。こういう現実に、わが国の教義は全くの無力、むしろ有害です。
この本が救いになるかは解りません。しかし、溢れる涙を止めることが出来ませんでした。この涙がわたくしを癒してくれたかはわかりません。愛するものを失った痛みはけして消えることは無いでしょう。
しかし、この本は『自分だけが苦しいのではない』ということを悟らせてくれた。この一点だけで一読の価値があります。お勧めします。

胸がえぐれる本でした。