「民法 III [第3版] 債権総論・担保物権」のカスタマーレビュー
学者になるための必見本
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未習の友人とゼミをして思うのだが、
内田説と判例と伝統的通説がごちゃごちゃになったむちゃくちゃな答案が続出するのはなぜだろうか。
内田説はしょせん内田説にすぎないということを知らないのだろうか・・・。
本をきちんと読むこともできない人間に内田民法を指定して読ませている弊害が出ている。
でも学者の先生は内田民法を指定教科書にするので仕方がないし。
東大や京大の生徒ならば、学者の本を読み、一審から判例を読み、調査官解説を読み、幾多の学者の先生の判例評釈を読んでもラクラクと合格できるでしょう。
しかし、下位ローではそうはいきません。
そもそもの地頭が違うからです。
試験に出るところだけに絞って繰り返し繰り返し基本をあきるほど押さえて、混乱を招くような無用な知識にはそもそも触れさせず、手堅い答案を書くようにしなければ司法試験には決して受かりません。
何事も自分の頭の力と相談して行う必要があるのであります。これが悲しいことですが現実というものの冷厳というか冷酷な事実なのであります。
自分のレベルを忘れて学者になるような勉強をしていると三振してしまうのであります。
柔軟な視野で比較検討を
7人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
民法学の最前線の一端を著したテキスト。民法改正計画にも関わって
いらっしゃる方なので、法学部生ならもちろん読んで損なし。
特に民法に興味がある人なら読まないわけにはいかないでしょう。
ただ、それほど民法に興味がないのであれば、
わざわざこれをテキストにする必要はないです。
『弘文堂NOMIKA2物権・担保物権法』や『弘文堂NOMIKA3債権総論』、
または、野村『民法2物権』,角『基本講義債権総論』、
あたりでもさしあたり問題はないと思います。
むしろ、初学者にとっては、本書はむずかしく、知識の整理がしにくいと思います。
将来的にけっこう高いところを目指すにしても、取りかかりとしては
もっとコンパクトに整理された本から入った方がいいと思います。
そのあとに本書を読むと新たな発見があることはいうまでもなく、
そのあとどちらをメインにするかはその人しだいかと。
なお、債権総論と担保物権を組み合わせていることには、個人的には
あまり意義を感じません。民事手続法なども盛り込むのでなければ、
それほど画期的ではないと思います。「担保物権は難しいから後回しに
しましょう。」くらいの効果といえるのではないでしょうか。
民法に格別関心がある人ならばマストのシリーズ。一方、初級者が周りに
流されてうかつに買うと森に迷い込むおそれもある、ということです。
学生はどの道読むことになる本だけれど。
36人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
(−)
・記述が浅い(すっきり書いてあっていい、ともいえる)
・理論部分が薄い
・事例がくどい
・(山本先生や潮見先生と比べると)物足りない
(+)
・事例が多い。抽象度が下げてある。連帯債務など、計算がややこしい債権総論では
かなり強み。逐一具体例を挙げて書いてある。
・メジャー。シェアNO1
(その他)
・大村先生の基本民法も人気だが、あれは内田民法より更に
内容が手加減しているカンがある。
・内田先生は評判ほど内容は薄くない気が
する。と言うか、かなりアドバンスな潮見先生や山本先生の
本と比べるのはそもそも本の用途を間違えている。
・内田民法は初学者・受験用に書かれた本。だからヘタに突
っ込んでいないし、抽象度を落とす努力が随所に見られる。
「具体例多すぎ」「記述がくどい」と言うのは、ある程度勉
強してきた人か、もしくはそもそも学部試験で単位だけ取れ
れば良い人のセリフ。
・ロースクールで教科書にして居るところも多い。お膝元の
東大は言うまでもなく内民。
・基本判例がしっかり紹介されている。
・網羅性が高い。
・「もう一歩前へ」にわりとアドバンスな所まで載っている。
大村先生と比較されるが、大村先生の基本民法シリーズは
論理部分が主で、事例の紹介は判例集参照にして済ましてい
るところがある。
また、ちょっとアドバンスな内容が簡単に省略してあったり。
論理的に重要な部分は厚く取り扱っているが、そのほかは過
剰にあっさりしている。
また、新しい見解の方をバリバリ書いているので、若干初心
者には苦しい気がする。比重を間違えてしまう部分もしばしば。
その点内民はくどくど(?)書いてあるから、ある意味安心
かもしれない。
担保物権に関してはこの本を使ってよいと思う
19人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
やはり、基本書シェアNO 1というだけあってその記述はわかりやすいです。特に担保物権(その中でもとりわけ抵当権)に関しては、抵当権者の配当額などに関しては具体的な数字を挙げて多く計算をさせ、また変化の激しい担保法の分野において新たな改正を盛り込んでいる点は非常に重宝します。内田先生自身もこと抵当権の部分に関しては熱が入っているのがわかります。しかし、債権総論の部分に関してはあえてこの本にする必要はないのかなと思います。というのも、債権総論においては、まず我妻・於保・奥田先生といった伝統的通説が真に言わんとしていることを理解することが先決(そしてそれへの疑問として星野・平井先生へと繋がって、その後初めて内田説が意味を持つ)であるから、それをすっ飛ばしてこの本で債権総論を理解しようとしても難しいかなと思うからです。(決して良くないということではないですが、通説を理解したいのであれば僕は奥田先生の本をおすすめします。)
教育的配慮(体系の組換えと判例への焦点)
27人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
民法の体系を教育的観点から大幅に組み替えた体系書である。
特に、債権総論の一部と担保物権を金融取引法として、金銭債権の履行確保制度と位置づける視点は類書と一線を画する(同様の構造をとるものとして大村敦志)。
しかし、本書を含めた内田民法シリーズの最大の特徴は、判例理論を理解させようとする工夫である。事案を要約し、法律関係を図示し、判旨の意義、背後にある考え方、その妥当性の検討について要点を押さえた記述が展開されている。この点で、学説や自説を展開してから判例をかっこ内で小さく論じる従来の体系書と一線を画する。
それだけに、一貫した理論による知的好奇心の刺激を求める人には向かないであろう。好き嫌いが分かれる理由もそこにあるように思われる。しかし、まず判例を理解したいが、判例集に当たってもポイントが捉えられないという方には一読をお勧めしたい。