真実の愛とは?
この小説を読む上で知っておかなければならないのは、結婚しなければならないという社会制度。
あなたは今まで何人好きになったことだろう?決して一人だけではない筈。一個人に対する愛とは常に続く者ではない、最愛の人とは時として変わるもの、それなのにその内の誰かと必ず結婚しなければならない、そして他の人を精神世界の中でも愛することは許されないという今も昔も変わらぬ不条理な因襲に疑問を投げ掛けたのがこの作品。
ハーディの作品は真実の愛、または男女関係を描いたものが多い。この作品はその中でも最も強く私達にその疑問を投げ掛けている。作品の中にハーディ自身の実人生が散りばめられていることからも、如何に真摯に、自らの人生を引き合いに出し、自らのアイデンティティを暴露の危機にさらしてまでて結婚制度の不条理を ハーディが問いただしているかが汲み取って頂けるだろう。
陰々滅滅
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貧しい孤児のジュードは、アカデミックな世界に憧れる。
石工として働きながら勉強を続け、当時の因習的な社会に反発して生きようとする。
しかし…
ジュードの従妹であり、恋人であるスーというキャラクターの存在が印象的である。
作者はスーを通じて当時の「ニュー・ウーマン」を描こうと試みたのだという。
新しい生き方、自我を確立した女性というテーマは確かに興味深くはあるのだが、およそ好感など抱けるような人物ではない。
また、全体的にひどく暗澹とした、救いのない物語である。
読んでいるうちに風通しの悪い所にずっといるような、重い気分になり、疲れてくる。
貧乏の惨めさ、自分の信念に従って生きることの困難さを冷厳に描いているといえようが、読んで「楽しい」というものではない。