働きざかりの心理学 (新潮文庫)

新潮社 [文庫]
(1995-04)
EAN:9784101252223
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「働きざかりの心理学 (新潮文庫)」のカスタマーレビュー

現代でも十分参考になる著書
現在手に入る河合隼雄氏の一般向けの著書の中では、
この本は比較的若い頃(五十代)のものである。
六十代以降の好々爺的な作品とは違い真面目な雰囲気だが、
難解ではない。
三十年近く前の著書にも関わらず、現代の働く人にも
十分に参考になると思う。

私が本書で最も秀逸だと感じたのは、P.124から記されている、
“場の倫理と個の倫理”の節である。

以下、要約すると、
組織において、下位の者は意見が通らないと
「上役の権力で抑えられた」とその者は考える。
上位の者は自分の思い通りに事が運ばないと
「近頃の若者は身勝手だ」と嘆く。
日本では組織の上位の者も下位の者も皆、
被害者である我が身を嘆くという奇妙な構図になる。

著者は、「両者ともに間違っている。日本ではすべての者が
“場の力”の被害者である。」と論じる。

“場の力”が何であるのかは是非本書をあたって欲しい。
私は、自分が働くようになってからずっと解けなかった、
組織の中で皆が被害者という構図の意味が、
この本によりようやく理解できた。
本全体を通じて得るところが多いです
10人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
  河合氏が書いておられる本は、主張がたいていは暗喩的、間接的に述べられていて、「あとは自分で考えなさい」という感じの本が多い。この本はそういう中ではやや異色ともいえるくらい「これはこうだ」とはっきり直接的な結論が書かれている本である。しかし内容はいつも通り大変得るところが多い。以下に少しだけ内容を抜粋してみたが、これを読んでピンとくる人は、おそらくこの本の全体を通じて得るところが大であると思われるので購入されることをお薦めしたい。以下は、自分があまり好きでないなあ、そして良い人間関係もなんかできにくいなあと思っている人に対して河合氏が述べられているところである。
  (P160~)「自分の友人は欠点が無い、などという人はいないだろう。友人は欠点をもっているが、他に長所もあり…そのような一個の人格的存在としての友人をわれわれは親しい人、愛しうる人として認めている…。実際、もし自分にとって益するところばかりで、何らの欠点も無い人がいたとすれば、その人を好きになるのはむしろ当然のことで、別に愛とか何とか言う必要のないことである。…これは、自分が自分自身に対するときも同様ではないだろうか。いろいろな欠点をもつ自分を、変な表現だが、自分の友人として受け入れてやる、というような心構えが必要なのではないだろうか。…「お前もいろいろな欠点はあるが、まあまあ仲間としてつきあっていってやろう」と心の中で言ってみるとよい。あるいは、友人に対して言うように、「お前も変なところがあるが、ともかくよく頑張っているな」と自分に話しかけてみるとよい。…自分自身を自分の仲間の一人としてみるほどの態度をもつことによって…自分の欠点を認識しつつ、受け入れることが可能となるのである。このようにして、自分を受け入れることを学んだ人は、他人を受けいれる力も増大し、多くの人と友情を結ぶことが可能となる」
実例が豊富で文体は堅めでも参考になります。
6人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
中年向け「こころの処方箋」という印象の一冊。データは少し古いですが、状況は今もそんなに変わっていないので気にせず読めました。毎日トイレで繰り返し読んでいます。落ち着いて一日のスタートが切れます。最近の河合本より文体は堅いのですが、説教ぽくて、逆にいい感じです。最近のものよりズバズバ言い切っていて、気持ちがいいくらいです。
50歳は働きざかり?
2人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
職場の人間関係、自分は精一杯やっているつもりなのに、ちぐはぐだ。
気の合わない、同僚の態度が許せない。第3者的に見るとそんなに深刻なことではないようなことが、当事者にとっては抜き差しならない。

そんなどこにでも、ありそうな事柄を、河合さんが、どのような心構えで乗り越えて行けばいいか、具体例で説明してくれてます。臨床心理学を自分の問題解決に生かす、河合さんは実に軽々とやっているように見えるけど、これが難しい。誰でも言えそうなことなんだけど、よく考えられた言葉なんです。

悩める子羊、電車の中でどうぞ
2人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
人生に悩んでいる人、家庭問題で困っている人、すぐ読めてためになるので通勤電車の中でどうぞ。そんなに簡単に解決できる問題ではありませんが、考えるヒントがいっぱいです。自分の姿を見つめ直すのに絶好の機会です。自分のこともわからないのに、他の人のことなど、わかるはずがありません。でも、考えていそうなことを、河合氏は示唆してくれます。

もしあなたが中年ならば、「中年のときから死に思いを致すべきだ」とユングは主張しているそうです。この本の最後を見てから考えてみてください。

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