熊の敷石 (講談社文庫)

堀江 敏幸
講談社 [文庫]
(2004-02-13)
EAN:9784062739580
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「熊の敷石 (講談社文庫)」のカスタマーレビュー

翻訳者出身的な文体
文体が特徴的。

翻訳家出身の方だからでしょうか。
他の作家と違い独特の文体とそこから醸し出される空気感を感じました。
もちろん、同じ芥川賞作家の川上未映子ほど極端な文体ではありあせんが……。

ただそれゆえに、好みがわかれるのでは? とも思います。
自分としては「気持ちのいい読後感だった」ということは強調させていただきます。
悪くないんだけど・・・
3人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
なんか村上春樹と大江健三郎をミックスした感じです
だからって悪くないんだけど、そっちを読めばイイかなっと
美しげと美しいはちがうだろ?
18人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
機内誌やグラビアが売りの雑誌などでよくみる紀行エッセイと『熊の敷石』のちがいは何なのか。
『熊の敷石』が小説であるためには、サンモンミシェルの絶景や、町の地名の由来、そうしたもの以上の何かがなければならない。語り手の「私」と友人ヤンの快くも、とらえどころのない関係がこの小説の小説たるゆえんだったのかもしれない。ところが本来であればテーマであったであろうこの要素はテーマであることに失敗している。
 フランスを訪れていた「私」とヤンは再会し、限られた時間の中でも充実したときを過し、2年のギャップを感じさせないほど、冗談もいい合える。ところが、ヤンが撮り、「私」にみせた数枚の写真のどれひとつをとっても、背景にある悲惨さや重さをヤンと同じように感じられない「私」は違和感をもつ。(飽くことなく書かれ続ける日本文学的感傷!)「話すことの必要のないことをなんとなく話させて、傷をあれこれさらけさせているのではないか」と。ところがヤンと「私」は気まずくなることもなく、こうした違和感は読者からすれば的外れにしかうつらない。この的外れな取り越し苦労をこの自称小説から取ると、アンニュイな紀行エッセイでしかない。
 冒頭で「私」がみる夢。眼球のない少年と少年の抱く熊のぬいぐるみ。余計なおせっかいという意味の熊の敷石ということば。すべて熊のモチーフが共通しているが、これらの挿話は物語の構成部分として何の機能も果たしていない。終りで過去の歯痛と現在の歯痛が重なる部分も意味不明。
 文学の匂いのする、気のきいた挿話を美しげなことばで綴ったものを小説として提示する人がいて、小説として受け取る人がいる、という状況は思考と想像の欠如以外の何者でもない。いったいこの人たちはいつになったら美しげなフィクションと美しいフィクションのちがいに気がつくのだろう。
ヒロガリ!
3人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
堀江さんの文章はとても広がりを感じます。例えば何かを描写していてもその風景はもちろん、ここへ至るまでの過程までも(つまり時間的なひろがり)読者の想像が広がっていきます。
その風景から色、光の加減、風向きや流れているであろう音楽まで想像せずにはいられませんでした。フランスを舞台にした偶然のなせる、ふとした繋がりがおこす感情の変化や考え方のうつろいがすばらしかったです。

ま、ちょっと私の妄想も入っているかも知れませんけど、。
でも、そんな私に妄想を抱かせる程私にとって個人的な作家になりそうです。ほんと綺麗な写真がどこまでも広がっていく感覚です!
表紙に意味が、、、
43人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
いい表紙(装丁)写真だ。
実はそれにも意味があった。
どちらかというとロードムービーな展開。
異国のロードなので実感はないけど、想像するのに文体が役立つといういい見本。
重くもなく、もちろん軽くもない。
淡々としているような感じなのに、残るものがある。
こういう静かに流れる本てけっこうありそうで、ない。
だから残るんだと思う。
著者の正当さを感じた。

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