この本のいい部分については、他のレビュワーさんの方々が述べているので、ここではよくないと思った部分について書く。
「実は両方の(位置と速度との)ボヤケぐあいの間にはある関係があって、極端にいえば、位置をピタリとはっきりさせようとすると、速度はゼロから無限大の間で不確定となる。」(p102〜103)
しかし、この「不確定」というのは「人間が測ることができない」というだけであって、「実際に速度が決まっていない」かどうかはこれまでの話じゃわからない。
しかし続けて
「このことは、速度はその間である一つの値をもっているのだがわれわれにはわからない、と考えてはいけない。電子がその間で一つの速度値を持っている、という保障自体何もないからである。正確な速度は神さまさえもご存じなかろう。
電子はそのとき速度はゼロかもしれないし、無限大かもしれないし・・・・・・というのではなく、これまでの話の様子ではどうやらゼロであると同時に無限大でもあり、ゼロであると同時に一でも一〇〇〇でもその他あらゆる速さを持つ・・・・・・という妙なことであるらしい」(p103)
いや、だから「なぜ」そういえるのか、が知りたいんじゃないですか。「保証がない」からといって「それが誤りである」と証明されたわけでもないのに・・・
ということで、不確定性原理の非常に重要な部分が抜け落ちている気がする。

肝心な部分が抜け落ちている気がする
世の中が不確定であることを知る一冊
たぶんもっとも親切な量子力学の本