三年坂 火の夢

講談社 [単行本]
(2006-08-10)
EAN:9784062135610
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「三年坂 火の夢」のカスタマーレビュー

賛否両論あるだろうけど、物語りとして優れている
あまりミステリー小説という感じはしなかった。
が、明治時代の東京における坂の謎という設定が面白かった。
火事で全焼した東京の再開発計画・・・この話は昭和になってからも実は存在しており、東京で直下型地震が起こった後、大手ゼネコンが中心となり新たな東京の町作りを行う極秘の計画がある。
こんな話が昭和の終わり頃には随分と囁かれていました。

さて、星が5つでない理由として、アイテムを少し詰め込みすぎたきらいがあると思います。
できたら鍍金先生を主人公とした探偵ものにしたほうがすっきりしたのではないでしょうか?
いまいち
文章が平坦で、なかなか事件の核心に行き着かない。
読んでいて少しイラついた。
明治時代に興味があったのでなんとか読み切ったが、この時代に興味がない人にはどうなのだろう…。と思い、☆二つ。
ユニークな着眼点で描かれた乱歩賞受賞作
2人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
’06年、「第52回江戸川乱歩賞受賞作」。同時受賞の『東京ダモイ』とは異なり、明治時代の東京を舞台にした歴史&青春ミステリーである。

内村実之(さねゆき)は18才、奈良県のとある町の旧制中学5年生である。ある夏の日、5才年上の帝大生の兄が突然帰郷した。それも、帝大を勝手にやめて、下宿を引き払い、渡されていた残りの学資も使い果たし、さらには腹部に傷を負って・・・。やがて兄は「実は三年坂で転んでね」と、謎の言葉を残してあっけなく死んでしまう。実之は、兄の死の謎を解くため、旧制一高進学を決意、単身上京する。彼はさまざまな人たちと出会いながら、“坂の町”東京で「いくつもある三年坂」を探して歩き回るのだが・・・。

ストーリーは、この実之の物語を「三年坂の章」として、そして予備校の鍍金(めっき)先生の東京の大火事についての推理行の物語を「火の夢の章」として、このふたつの章が交互に描かれて進んでゆく。

普通のミステリーが持っていない、奇妙だが、魅力的な“謎”を持つ小説だった。特に明治期の東京を「坂の町」としてみるという着眼点はユニークだと思う。

難をいえば、実之の「三年坂」探索行が、注釈が多くて、私のように東京以外の住人で東京の地理に詳しくない人にはつまらなかった事だろう。

今回の乱歩賞受賞作は2作品とも比較的厳しい評価がされているが、私は本書にはギリギリ及第点をあげてもいいのではないかと思う。
雰囲気は悪くないんだけど…
1人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 江戸から東京へ、激動の時代を背景にした幻想的な雰囲気のあるミステリ。当時の東京の雰囲気などの描写はとてもうまいと思ったのですが、物語自体の起伏が乏しく、最初に提示される魅力的な主題が、構築された世界を牽引し切れてないような所があって少し残念です。しかし、当時の社会の有り様や、東京の変化なんかは読んでて面白かったですね。でも土地勘がないので、ちょっと苦しかったですけどね。東京を舞台にした幻想譚として読めば楽しめるでしょう。
江戸から東京に移り変わる時のなかで
4人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
私にはミステリーとしても十分におもしろかったですが、
江戸から東京に変貌しようとしている街の姿、そしてそこに生きる人々を
いきいきと描いているところに惹かれました。

いかにも「乱歩」っぽいオカルト色を入れたりするだけでなく、
筆者が予備校を経営していたこともあって、今日とも十分接点のある
過酷な受験事情をからませているなど、ただの”ノスタルジー”には終わらせない
構成もなかなかの力作だと思います。

それにしてもこの本のキーにもなってくるトコロですが、
幕府開闢以来、ずっと江戸に住まっていた御家人、旗本など
将軍家直属の幕臣だった人たちの怨念は一筋縄ではなかったと
思いますね・・・。

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