青春期に、川本三郎&真淵哲による「傍役グラフィティ」や、キネマ旬報の「ニッポン個性派時代」を愛読してきた者にとっては、懐かしく、楽しい一冊。60年生まれの私にとっては、東映やくざ映画や日活ニューアクション、そして、70年代隆盛を極めた日活ロマン・ポルノも、皆、東京での学生時代に、名画座で追いかけて観る事が出来た、そんな"幸せな時代"に、暫しの間タイム・スリップしたかの様な気分にさせてくれる。紹介されている名バイプレーヤーたちの数多い出演作から、筆者が偏愛する3本を選び、評している処がミソで、何故あの傑作を入れないの?とか思ったりもするのだが、それでも、俳優たちと、プログラム・ピクチャーへの"愛"が満ち溢れていて、嬉しくなってくる。作品と共に、彼らのプロフィールも、細かく記述されていて興味深いが、中でも一番の驚きは、やくざ&ギャングの影の黒幕的悪役ばかりが目立つ佐々木孝丸が、あの「インターナショナル」の初の訳詩家であったと言う事実だ。筆者があとがきでも述べているように、十人十色、個々に思いいれの多い脇役たちは違えども、"プログラム・ピクチャー"という言葉に郷愁を感じる人は、是非、一読をお薦めする。

プログラム・ピクチャーという言葉に、郷愁を感じる方にはお薦めです。