日暮らし 下

講談社 [単行本]
(2004-12-22)
EAN:9784062127370
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「日暮らし 下」のカスタマーレビュー

謎解き部分は重要ではないのでは?
1人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
時代小説+ミステリー=日常生活の些事から生まれては消えてゆくけれど大事なモノを気づかせる小説です。
ミステリー仕立てではあるものの、謎解きを主眼に置いていません。それよりも江戸時代の下々の人々の暮らし(まさしく、タイトルの 日暮し です!)を現代の我々の生活にも通じるささやかなモノを汲み取ってくれる、あるいは、私達に思い出させてくれる、そんな小説です。

さらに、連作短編のようになっていて、小さな細かい話しが次第に大きなひとつの流れになり、綺麗に纏まる、そう、ココで思い出されるのは「堀江 敏幸」さんの様な小説です。

堀江さん好きな方で、「どうもベストセラー作家は敬遠しがち」な方、宮部みゆきの初心者(私もですけど)にオススメ致します。

各章に「日暮し」という単語が必ず入るのですが、その入りが絶妙です。さすがというべきか、宮部みゆき!些細な人々の細かい想いをそれぞれに、綺麗に、描写します。

様々な登場人物の中に、あなたのお気に入りの人物がきっといます。三谷幸喜のドラマの様な、スティーブン・キングの小説の様な、それぞれの登場人物に作者の愛情を感じます。

群像劇が好きな方にも、オススメ致します。
江戸ものの担い手
1人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
宮部みゆき氏の江戸ものはすべて欠かさず読んでいますが、このシリーズは一番好きなものです。
本作は前作「ぼんくら」に比べてかなりミステリー仕立て。
とはいえ、宮部氏の得意とする、お徳さんや岡っ引きの政五郎をはじめとする「人情味溢れる市井の
人たち」の描写はバッチリです。
今回は弓之介とおでこが大活躍ですが、その分井筒の旦那と前作での主人公の一人・佐吉の影が
ちょっと薄くなったのが残念かな。
そして葵奥様が出てきたと思ったら死んじゃったのがとても残念です。
この人のお話、もっと掘り下げて書いてほしかったなぁ。

それにしても宮部氏の江戸ものは読ませる読ませる。あかんべえ然り。
現在連載中の「おまえさん」も早く単行本化してほしいと心から気になる、秀作です。
宮部氏は本当に「江戸ものの担い手」だと思う。
楽しみなシリーズです
2人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
前作『ぼんくら』よりも、謎解きミステリー色が強くなったようです。
また、これぞ宮部みゆきワールドなのですが、13歳の少年である弓之助が、ちょっと「切れすぎ」という感じもしないではありません?よりファンタジー色、捕物帳色が強くなったと言うことでしょうか?好き嫌いは別れるかもしれません。しかし、これも宮部時代小説のオリジナリティだと思います。
主役が、すっかり平四郎から弓の助に移った観すらあります。必然、ややコバルト・ノベルっぽいです。
とはいえ、時代小説のなかでは、「当代一』の期待を抱かせてくれるシリーズだと思います。
現在も第3シリーズが小説現代に連載中ですね。
できれば、なんとか1年に1冊ペースで出版して欲しいものです。
活き活きとした江戸文化
6人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
『ぼんくら』の続編。
だるい同心・平四郎と美形の甥っ子・弓之助事件簿。

短編4本と長編1本で更正されています。

《収録作品》
おまんま………記憶の達人・おでこが生きていくたづきのはなし。
嫌いの虫………所帯を持って幸せになった佐吉がまた湊屋に振り回されるはなし。
子盗り鬼………前作から話題の女性・葵の人間性がよくわかるストーカーのはなし。
なけなし三味…生々しい色恋のはなし。
日暮らし………これは長編。上巻の四分の一と下巻はこのお話。

前作『ぼんくら』で明らかになった
湊屋のどろどろした人間関係が出て来るので、
こっちを読む前に『ぼんくら』は必読。

どちらも時代物でありながら読みやすいのでさくっといけます。

私は『子盗り鬼』がいちばん気に入りました。
前作では捨てられた息子視点でしたので
とにかく自分勝手で何を考えているのやら、と、
ちょっと薄気味悪い存在に感じられた『葵』が
きっぷのいい、とても格好良い女性だったのが印象的です。


『日暮らし』では、
いままであまりにも泰然としすぎていて
怪物のように感じられた湊屋の主人が
ひっそりと人知れず見せた人間性がとてもせつなかったです。


甘い話ばかりではありません。
むしろ突き放している部分もたくさんあるのですが、
それもひっくるめて人情味溢れる作品です。
優しき世界
1人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
人は誰でも後悔や怨念や悋気や贖罪の念の中で七転八倒しているものなのだから、自分だけが苦しんでいると思うこともないのだよ、と優しく諭されているような。あらためて業の深さを思い知るような。胸に沁みる言葉に立ち止まっては、行きつ戻りつ、ストーリーテラーのエンターティメント性もありのこれぞ宮部ワールド?

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