アフターダーク

講談社 [単行本]
(2004-09-07)
EAN:9784062125369
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「アフターダーク」のカスタマーレビュー

村上春樹の全作品を読んでいる人たち。
1人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
私は「ねじまき鳥クロニクル」が最高傑作という人間です。
短編なら「沈黙」

村上春樹の作品で表現されている世界はすべて共通していると思います。
話が深い、浅い、心に残る言葉があるか、ないか、など…技術的な問題、
その違いで作品個々の評価が分かれるだけであって、
根底にあるテーマはどの作品を読んでも同じだと感じます。
「アフターダーク」を読んでも「カフカ」を読んでも新しいものには何も出会えませんでした。
それは、私がそれまでに同じような彼の小説を読んでいるからだと思います。
しかし、そのことが作品の評価を下げることはありません。

すべてのすぐれた作家、ミュージシャン、画家、映画監督…
なんでもいいですが、結局、1人の人間が表現できる世界は1人につき1つだけだと思います。

評価を下げるのは、読んでいる途中に「これは過去の作品における…だ」とあからさまに感じるときです。
いままで通り、自分が得意な楽器で同じような曲を書くことをやめ、
新しい楽器で物語を奏でたからでしょうか?

アフターダークは長編というより村上春樹小説の概略といった感じがしました。
新しい試みにより、登場人物の影は表面にとどまり、深み(暗闇)にたどり着けないまま終わりました。
この作品自体は非常に薄味で、全作品を読んでいる人間は、
これをきっかけに、
「ねじまき鳥」を「ノルウェイ」をまた読んでみようか、と思うのではないでしょうか?
答えはどの作品を読んでも見つからないですが、読書後、心に残る言葉にできない感情が村上春樹の魅力だと思います。

蛇足ではありますが、
この小説で私は村上龍の「ライン」という小説を思い出しました。
「ライン」がいつもの村上龍節でありながら強烈なインパクトを残したのに対して、
いつもの村上春樹節でありながらボンヤリとした世界を提供した「アフターダーク」の評価は決して高くありません。
しかし、この先も村上春樹が新しい楽器で物語を奏で続けるなら、
今後は、違う角度から、彼の表現する世界が見えてくるのではないかと感じました。
そして、それは、過去の作品にも新しい視点を加えることにもなると思います。

カフカは過去のスタイルの清算。
アフターダークは分岐点としての意味を持つのではないでしょうか?
これからの村上春樹が楽しみです。
なんだか
5人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
薄っぺらで面白くありませんでした。
登場人物らの話し方が独特で不自然なので(いつも通り)
村上ワールドが大好きな人はそれだけで楽しめるんじゃないかと思います。

話自体や登場人物の完成度には期待しないほうがいいかも。
私たちは忘れない。
4人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
深夜の落ち着いたレストラン、昼間とは全く違う夜の町の顔、個性的な従業員の勤めるラブホ、異界と繋がるエリの部屋、
トイレで読んでると落ち着きます。

「逃げ切れないよ。逃げ切れない。
どこまで逃げてもね。
わたしたちはあんたをつかまえる

わたしたちは、あんたの背中を叩く事になる。
顔も分かっているんだ。

いつかどこかであんたの背中を叩く人間がいたら、それはわたしたちだよ。

あんたは忘れるかもしれない。


私たちは忘れない。

逃げ切れない」
村上春樹と第三の新人
5人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
冒頭、アラン・ロブ=グリエの小説を思わせる、しつこいまでの情景描写から入っていく。その意味では、この小説の主人公は視点を共有する読者なのかもしれない。そして、ファミレスで出会う若い女性と男性を中心に、その姉、ホテルに置き去りにされた中国人売春婦とホテルの経営者、顔のない男などがからみあって、時間が進行する。
 村上にとって、大きなターニングポイントとなったのは、阪神大震災と地下鉄サリン事件だった。これまで、村上は個人の内部にある「やみくろ」を相手にしてきた。でも、実際には「やみくろ」は地下に存在し、本当にそこから出てきて人を陥れる。だとすれば、作家として村上は現実にコミットしていく必要性を感じることになる。その結果が、「アンダーグラウンド」とその続編であり、「神の子供たちはみな踊る」であり、「ねじまき鳥クロニクル」におけるノモンハン事件であった。
 その中でも、「アフターダーク」は「神の子供たちはみな踊る」をもう一歩進めたものといえる。地震が起きた時間、みんなは何をしていたのか、そのことがあの連作短編集を支えていたのだとすれば、「アフターダーク」は任意の深夜を切り取ったとき、それぞれの人生はどうなっているのか、ということになる。
 結論じみたことを言ってしまえば、本書の中には罠も用意されており、100%ハッピーエンドとはいかない。それでも、人が前に進む意思が少しでもあれば、何とかやっていける。闇はまたやってくるのだけれども。人は闇から出ることだってできるし、そうした強い存在でもあるし、同時にまた闇は何度もやってくるしぶとい存在でもある。その一つの断面を小説にして見せたということになる。
 それにしても、文庫化された同じ村上の「若い読者のための短編小説案内」(文春文庫)を読んでいて、村上が第三の新人と呼ばれていた作家たちの本を読みこんでいるということを読んで、なるほどなっていうのはあった。第三の新人といえば、遠藤周作、吉行淳之介、安岡章太郎、小島信夫といった、戦後すぐに登場してきた作家であり、当時は戦前の大家に比べて小ぶりな、個人の内面にポイントを置いた作家という評価だった(らしい)。だが、彼らはしぶとく生き残る。彼らが持つ内面の哀しみといったものは、確かに村上に共通するのかもしれない。何より、彼らの持つ世界が外から見る以上に深く広い世界だったということになる。でも村上は、そのことを理解しつつ、そこからもう一歩先に行きたい、そういう欲があったとも思う。そのことが、「アフターダーク」につながる一連の作品になっているのではないか、そう思う。
 それでもなお、あえて言えば、「アフターダーク」は長編小説というよりも、とても長い短編小説という気がしてならない。時間の流れがそうさせるのかもしれないのだけれど、それにしても。野球のピッチャーで言えば、今回の先発で、新しい変化球を試してみました、みたいな。そこそこ手応えを感じたので、次の先発では、もっと有効に使ってみたい、というところだ。
闇の中とはこういうもの
3人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
独特の世界観。
この、わけのわからない状況がなぜか
物語の世界へどっぷりとつかっていく入口。
想像力をかきたてられる情景描写。
深夜のファミレスで一人本を読む行為。
一度やってみたいものです。
彼の描く女性の飾らないところが好き。
どこか素直な所があります。

現実の世界であり、そうではない部分も垣間見える。
その微妙なバランスがなんとも心地いいと感じました。

真夜中って、こうであって欲しいような気がします。

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