この本には二つの部分が混在している。一つはカウンセリングの専門家として「共依存」の問題について客観的に考察している部分。そしてもうひとつは現代の男社会に対して著者が怒りをぶちまけている主観的としかいいようのない部分だ。私にとってはそのどちらもが興味深かった。
第二章の「夫を救おうとする妻たち」は笑っちゃうほど、私と同じだった。私自身、子供もいないし、経済的にも独立できると言うのに、DV夫とどうしても長年離婚できなかった。弁護士に相談して夫に離婚をこちらから言い渡したこともあるのに、最後の最後に、「私を見棄てないで」と自分から夫に縋りついてしまうのだ。
「世間というものは、わずか二十人くらいの知人とその背後に幻想として広がる『日本の中のひとたち』という無限の人数から構成されている」や「男同士が会った瞬間に社会的地位の上下を値踏みするのと同じように、女同士も『既婚か未婚か』『子供を産んでいるか否か』と値踏みしあう」などの指摘は、あまりに的確である。ありもしない「近代家族像」の幻想にとらわれてきたのだと思い知らされる。
「女はすでに人生が土下座だったりするから、あらためて土下座はしないが、なぜ男の世界で土下座が通用するかといえば、男は大なり小なり自分が偉いと思っているので『こんなに偉い男が女に土下座までしているのだ』というメッセージなのだろう」と著者の怒りが炸裂する主観部分も、外資系企業で働きながらも、圧倒的な男性中心社会の中で息苦しい思いをしてきた私には心から共感できる。

男社会への怒り炸裂!
男性にもぜひ読んでもらいたい本