「深い河(ディープ・リバー)」のカスタマーレビュー
日本人として西洋の神 キリストの存在を追いかけ続けた遠藤周作の意外な集大成の著
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久しぶりに読んでみた。
言葉に出来ない想いがずっと横たわっている。
最初に読んだのが恐らく10年以上前だと思うけども、やっぱりそれから歳を重ねると、書いてあることの受け止め方と重みがぜんぜん違うし、とても良かったぞ。
ましてや、あの時はインドに行った直後に読んだので特に印象深い本であったのだ。
遠藤周作は、ご存知のようにカトリックの信者であった。戦後初の交換留学生としてフランスに渡り、そこで彼が感じた西欧カトリックの歴史の中での「在るべき」姿から、自分の形に信仰を落とし込むまでの苦悩が遠藤周作にはあったようだが、その彼の姿がこの本にも主人公に変えて書き込まれている。
カトリックでは認められない「輪廻転生」という概念と、現在のインドでのヒンズー教信仰。どこでそれがつながっていくのかという人間と人間。そこには全ての宗教をも包み込む概念としてのガンジス河があった。
インド人にとっては母なるガンジス河。すべての人生の苦悩と矛盾を抱えながらその河に流されいく死者。そこにカーストをも外れた人間のために自分を差出すカトリック神父。イエス・キリストが全ての人間の罪を背負って最後は十字架を背中に受けながら歩く姿に、その神父は死を待つ人間を背負いながらなぞるのだと告白する。
人の心の美しさや、信仰というものからあえて目を逸らしてきた女性に、この神学生は「神がかたくるしければ、”たまねぎ”と言い換えてもいい」と彼は神を語っていた。
「神は存在というより、働きです。
たまねぎは愛の働く塊なんです。」
深い河が目の前を流れていくのを感じた
それぞれの過去にとらわれ、救いを求めてインドの聖地へ向かう男女の物語。
時代背景としてはやや古くなってしまった感もある。
しかし、そのテーマは永遠のもの。少しも古さを感じさせない名作だ。作者の巧みな話術により読み始めたら、止まらなくなってしまった。
善と悪とは?宗教とは?人生とは?愛とは? その中で私たちは何をよりどころにして生きていけばいいのか?
すべてのものを包み込みながら大河が目の前を流れていくのを本当に感じました。おすすめです!
イラっとしたのは私だけ?
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ものすごく筆者の苦悩が伝わってくる汎神論についてですが、宗教色が薄い平凡な日本人の私としてはキリスト教の解釈も大津とだいたい似たようなものなので、なんでそんなに悩むのかがわかんないよってさらっと流してしまいそうです。
それよりも!あ〜もうねぇ。妻は空気がサイコー!なんて言っていてそれを「愚か」だった、「自分のエゴ」だったといいながら、作者さん、妻の臨終のときに「生まれ変わっても私を見つけて」って言わせてるでしょ。「空気のような従順な妻から実は熱愛されていたオレ」これってすごく男のロマンじゃないですか?自分のエゴから脱却してないじゃん!・・・書いている本人自覚ないんだろうなぁこういうのって。まあ筆者さんの時代が時代ですからね。
ラストは乱丁本かと錯覚しましたが、思い返してみるとすごくいい終わり方だったと思います。「歓びを歌にのせて」って映画のラスト思い出しました。
受け入れるということ
何でも受け入れてくれる「深い河」=ガンジス川。
妻を亡くした男、人を愛せない女、友人の苦しみを理解したい男…さまざまな登場人物が、何か「意味」を求めてインドへ向かう。宗教観というものを持たない日本人が、何かにすがり、信じる人々を見て、「信じる」とは何かを考える物語。「これでもか」というほどにノー天気に描かれた三條夫妻が良いスパイスに。。
インドに行ったことはないけれど、いつか行って自らの目で「深い河」を見てみたいと思わされた。
それぞれの想いを内包して……
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「必ず生まれ変わるから」と言い残した妻の言葉のため。
大学時代、弄んだ男にもう一度会うため。
人生の節目で自分を救ってくれた九官鳥に恩返しするため。
ビルマで死んでいった戦友を弔うため。
それぞれの想いを抱えてインドへと向かう人々と、全てを包むガンジスの物語です。
宗教色が強いのかな、と始めは敬遠していたんですが、読み始めると面白くてちっとも気になりませんでした。
一方的に押し付ける感じもなく、人々が信じるものをそれぞれ真摯に見つめていて、読んでいて胸が熱くなります。
キャラクターや時代背景も綿密に計算されていてよかったです。
それぞれの想いをすべて飲み込んでゆったりと流れていくガンジス河。
見てみたい、と思いました。