わくらば日記

角川書店 [単行本]
(2005-12)
EAN:9784048736701
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mugimugi0123
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「わくらば日記」のカスタマーレビュー

暖かくて哀しい物語
6人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

昭和30年代のまだ貧しかった日本を舞台にした、二人の姉妹が主人公の5つの短編集だ。妹の和歌子には、美人だが体の弱い姉がいて、人や物を見ると、その人や物の周りで過去に起こった出来事を遡ってみることができる不思議な能力を持っている。

この不思議な能力により、この二人は普通では経験できない、忌まわしい事件に関わったり人間の心の内側を覗くことになる。5つの短編には異なるエピソードが描かれているが、何れも人間の善意・優しさと、現実の厳しさや残酷さが描かれていて、暖かくそして少し哀しい気持ちになる。

常に別れの予感を感じさせる本書は読んでいてちょっと辛い部分もあるが、最後のシーンにあるように、美しいものが現実には過ぎ去ってしまっても、一人ひとりの心の中ではきっとその人が生き続ける限りは永遠なのだろう、だからこそ今を大切に生きるしかないのだろう、と思った。

なお、タイトルの「わくらば」というのは耳慣れない言葉なので辞書で調べてみたところ、漢字では「病葉または嫩葉」と書いて、「病気におかされた葉」と「木の若葉」の二つの意味があるそうだ。
時代と風景のマッチング
2人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
その場所で起こった事やその人の体験した事が透視できる、という不思議な能力を持った
病気がちの美少女。それゆえ巻き込まれる様々な事件や出来事を妹の回想で綴る物語。
親しくなった警官を通じて、殺人事件や猟奇事件の犯人探しや真相追及というミステリー
的要素もあるのだが、この著者が得意とする昭和三十年代の風物描写や、穏やかな語り口
で、不思議な懐かしさを感じさせる作品だ。姉妹が散歩でよく行く東京・千住の「お化け
煙突」(表紙にも描かれている)の風景が読後も印象に残る。続編も今から楽しみ。
まとめて 全部 読んでみたい
4人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
最初に気づいたことは、1960年代生まれの著者が、こんな昔の人の言葉使いや、生活環境をよく再現したものだなあということ。 自分の子供のころを振り返りながら、とても懐かしい気持ちにさせられました。 切り絵か版画のように見えるイラストも素敵です。 ただ 1つ残念なことは、この本は、2004年から2005年の間に「野生時代」という雑誌に掲載された短編連続小説(日記?)の内の、5話を1冊にまとめたもので、この1冊で、わくらば日記は完結しません。 何箇所かで、この話は またあとでしましょう、といった表現がありますが、結局 話を聞けないまま、この1冊は終わってしまいます。 わくらば日記の完全版を待ちわびています。 
泣かないと思ったのに。
7人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
母様が素敵だ。礼儀を重んじ、茜ちゃんを「人の信頼を裏切ることは、人の命を奪う事の次に悪いことです」と柔道四段の腕前で投げ飛ばすところが好きだ。あとは、100枚の年賀状かなあ。大好きな人に毎年年賀状が届くように書き溜めたなんて、今の若者にできるか!昭和の時代は今のように豊かではなかったかもしれない。でも、宝石のような心を持った人達がたくさんいて、またそれを受け止める優しさもそこいらじゅうに転がっていた。まっすぐに生きようと思える、素敵な小説です。
実写希望!
2人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
朱川さんのえがく、”昭和”が大好きです。
全編に漂う、”何もないけれどもとても満たされている”雰囲気が、
読む人すべてに伝わる、素敵な本です。
中でも”流星のまたたき”という話が印象に残りました。
切ないラストに涙しました。

この作品は登場人物一人一人がとても丁寧に描かれていて、キャラクター設定がしやすいと思うので、テレビドラマに最適なのでは?!
いずれにしてもこの話はまだまだ続きそうです。
早く続きが読みたいです。

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