「イマジン秘蹟 3.WORLD’S END=SUPERNOVA (角川スニーカー文庫)」のカスタマーレビュー
この時代に《物語》は可能か
この巻は、イマジン3冊の中でも一番ギャグが面白く、また意義深い作品である。1999年に外の世界=大きな物語は終わるはずだった。しかしこの世界はだらだらと続いている。いや、「緩慢に、だらだらと、終わり続けてきた」。人類は目的を持てないまま、物語の主人公になろうと無駄にあがく。
そこから人間を解放するのが魔女化=天才化である。天才は、自分の物語の主人公になる力を持っている。皆が天才になれば、外の世界=大きな物語は消滅する。こうして、退屈と苦痛をもたらす「終わり続けている世界」が本当に終わるのだ。
今回の相手は、このような目的のために活動する。最強の魔女なので、力では止められない。その目的を論破できるかの勝負になる。
そして、新キャラのひとりである山田コギトもいい味を出している。光紗の過去、智弘の過去についての伏線も出ているので、イマジンシリーズの今後が楽しみになる傑作である。
今までのイマジンとは少し違います
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今までのイマジンの話と比べると限られた24時間という設定でしかもキャラぶれがイタイくらいにひどいので今までのイマジンとは違う感じで楽しめました。
願望剥き出し、イタさ大爆発です
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季節は7月、ただでさえ地球温暖化で暑いというのに夏まで到来で摂氏40度を突破、期末テストが終わったのがせめてもの救いという中、今久留主高校で突然クラスメートの頭が良くなったり、正義のヒーローと思い込んだり、観ただけで相手を魅了する能力に覚醒したりと、学校全体で魔女化症候群を発症する生徒が現れます。24時間以内に感染源の魔女を特定して祓わなければ学校の生徒全員が収容所送りになるという事態に、イマジンも風紀委員会と共に、尾津智弘の幼馴染みでもある生徒会長・寅屋敷薫の主導で調査に乗り出しますが、感染源の魔女の手先だった男子に翻弄されて調査はまるで進まず、あろうことかイマジンの美少女3人組までもが感染させられてしまいます。
光紗はニセチチを揺らす魔法少女に変身して、それだけで智弘ならずともくらくらしてくるのに加え、ちこりはゴーゴー鉄球を振り回して光紗との学園ヒロイン争奪戦を繰り広げ、確か元ネタのゴーゴーってセーラー服じゃなくてブレザーだったよなーでもちこりだから仕方ないかーと思ってたら、サナギが仮面舞踏会風のマスクを付けたパピヨンで降り立ち、ジュディ・○ングを歌うという、もはや混沌以外の何物でもありません。
人は誰でも物語の主役になりたいと思い、一生の中で1回かもしくは数回、本シリーズ的表現で言う“半径三メートルの世界”から飛び出そうとします。しかしほんの一つまみを除いてほとんどの人は自分が脇役にしかなれないことを思い知り、“半径三メートルの世界”に戻っていくものです。しかし、人の中にある外の世界との境界線が消えたら誰もが主役になろうとして互いに潰し合いになりますし、自分が主役になれないことを受け入れられなければ時として破滅的な行動に走りますし、いずれにしても悲惨な結果になることでしょう。今回の話は学校という限定的な空間の中とはいえ、そうした人の危うさを的確に描き出していると思います。