この本は、太平洋戦争以前に組織された「国防婦人会」の内実について紹介したものである。そこから著者が伝えたかった内容は、多分、国を構成している人々の日常生活感から出てくる集団感情が、国の行動原理の一側面を支えていたという史実なのだろう。つまり、あの愚かな戦争を遂行した日本国という国家の行動原理の一側面を一般大衆が支えていたという史実をである。
いわゆる教養婦人ではない一般のお母さんたちで構成された巨大組織が、草の根運動として発展していく様は、その現象を良く伝える素材であったからと著者は考えたのだろう。そこには、日常的な同胞は存在しても、人間という同胞は存在していない。何故「国防婦人会」が草の根運動として全国に浸透したのか、その根拠と結果を知り、現代に生かす機会をこの本は提供している。

逆に言うと、一般大衆が反対する戦争は出来ない